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とうとう不動産市況が上向く?都心部のオフィス空室率が低下したが・・・・

 

 不動産仲介の三鬼商事は7日、東京都心におけるオフィスの空室状況を発表した。1月の空室率は8.56%と先月に比べて0.11ポイント低下した。2012年の1月の空室率は9.23%と今よりも1ポイント以上も高く、ここ1年でオフィス市場が大幅に改善したことが分かる。東京以外の地区でも空室率の低下が進んでおり、大阪では3年ぶりの低水準となっている。

 一見好調に見える数字だが、不動産市況全般が改善しているというわけではなさそうだ。都心部の空室率が改善した最大の要因は、郊外オフィスからの移転だからである。

 オフィス賃料は、下げ幅は小さくなっているものの、まだ下落トレンドが続いている。都心部のオフィスの割安感は高くなっており、郊外のオフィスから都心部のオフィスに移転するテナントが増えているのだ。都心へのオフィス集約が進む分、郊外のオフィスビルには空室が増えることになる。

 また小規模なビルから大型ビルへの集約化も進んでいる。震災以降、耐震性など防災面での備えが重視されたことで、中小型ビルに分散していたテナントが大型の新築ビルにオフィスを集約するケースが相次いだ。
 同社の調査対象となっているオフィスビルは基準階面積が100坪以上の物件なので、規模の小さいビルはデータに反映されない。中小型ビルの空室率は増加している可能性が高い。

 このような状況を反映して、全体の賃料は下落傾向にあるものの、大型新築ビルの賃料は増加に転じている。好調な大型優良物件とそれ以外の物件という二極化が進んでいるが、大型物件については市況は上向き始めたとの見方が強くなってきている。

  オフィス市況の改善にREIT市場も大きく反応している。アベノミクスによるインフレ期待も手伝って、東証REIT指数はここ3ヶ月で20%も上昇した。REITに組み入れられている物件は都心の大型物件が多い。賃料相場の反転が確実になれば、分配金の増加につながり、REIT指数がさらに上昇する可能性も出てきている。

 緩和策によって膨れ上がったマネーは行き場がなく、不動産開発に集中している(本誌記事「赤プリに続いて旧長銀ビルも解体。不況の最中、新しいビルを次々壊すと異様な光景」参照)。フロア面積の大きい大型ビルは今後も次々と供給されてくる予定だ。大型物件へのテナント集中はさらに加速するとみられる。賃料が上昇し空室率が低下する大型物権とその他の物件の差は今後ますます開いてくることになるだろう。

 - 経済

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