ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

経常収支が2ヶ月連続の赤字。とうとう日本が経常赤字国へ転落するサインか?

 

 財務省は2月8日、2012年の国際収支を発表した。それによると、経常収支は4兆7036億円の黒字を確保したが、黒字額は前年に比べ50.8%も減少した。同一基準で統計を取り始めた1985年以降で最小の黒字額となった。

 経常収支は外国との取引の最終的な結果(国の儲け)を示すもので、その内容は主に貿易・サービス収支と所得収支で構成されている。
 貿易・サービス収支はいわゆる輸出による儲けを示し、所得収支は海外に投資した資金の利子や配当収入が該当する。

 日本はかつて製造業が活発で、製品を他国に輸出して稼いでいたので、貿易収支は一貫して黒字だった。
 だがバブル崩壊以降、日本の製造業は衰退し始め、貿易黒字も徐々に減少してきた。
 逆に過去に溜め込んだ資金を海外に投資する動きが加速し、2004年にはとうとう輸出による黒字を投資による黒字が上回った。日本はすでに投資でメシを食う、不労所得の国になっていたのである。
 本来なら、日本の製造業が衰退すれば、経済に対して大きな打撃となるはずである。バブル崩壊後20年間もデフレを続けながら、国民生活を何とか維持できたのは、この莫大な利子収入があったおかげである。

 だがここ数年、その状況も大きく変わってきた。震災の影響によってエネルギーの輸入が増加したことや、日本製品の競争力低下にさらに拍車がかかり、とうとう貿易赤字に転落したのである。今回発表された2012年の国際収支では、貿易赤字は約8.5兆円、これに対して所得収支(利子や配当などの不労所得)は約14兆円の黒字となっており、貿易赤字を投資の利益で何とかカバーしている状況である。

 悪い話ばかりが続くが、この状況も崩壊寸前だ。ここ2ヶ月の間に、貿易赤字が急増し、投資による利益でカバーができなくなってきているのだ。つまり最終的な国の儲けである経常収支が赤字に転落しているのである。
 2012年12年の経常赤字は2641億円で、2ヶ月連続の赤字。統計を取り始めてから2ヶ月連続で赤字になったことは今回が初めての事態である。

 もしこの赤字が今後定着するようになれば、日本は完全に経常赤字国に転落する。毎月巨額の資金が外貨に両替され、海外に流出するので、恒常的な円安要因となる。もしそうなれば、ドル円のトレンドは半永久的に円安になる可能性が高まってくるだろう。日本はとうとう長期的な貧困化への道を歩み始めたのかもしれない。

 - 経済

  関連記事

mof02
2014年度予算の総額が96兆円になったことには明確な理由がある

 政府は2013年12月24日、2014年度予算案を閣議決定した。社会保障費の伸 …

no image
過去最高益。業績絶好調のトヨタが抱える、将来への深い悩み

 トヨタ自動車は2014年5月8日、2014年3月期の決算を発表した。本業のもう …

bouekitoukei 201501
1月の貿易統計、輸出数量がようやく増加傾向に。要因は好調な米国経済

 財務省は2015年2月19日、1月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し …

kousakukiki
7月の機械受注は横ばい。設備投資が本当に回復しているのかはまだ確認できない状況

 内閣府は9月12日、7月の機械受注統計を発表した。機械受注統計は、民間設備投資 …

venetian
世界のカジノ王が日本に1兆円投資の用意?白熱化する日本カジノ構想

 世界最大級のカジノ運営会社ラスベガス・サンズは2014年2月24日、日本でのカ …

shukinpei07
中国が今後の改革における主要項目を発表。あまりにも多い日本との共通点

 中国共産党は、党の重要な会議である第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会) …

matsuura
エイベックス松浦氏の富裕層イジメ発言を評価する際に注意すべき点とは?

 エイベックス・グループ・ホールディングス社長の松浦勝人氏による、日本は富裕層に …

ecbdoragi
ECBがとうとう量的緩和策を導入。効果があるのはドイツだけ?

 ECB(欧州中央銀行)は2015年(ECB)は22日、とうとう量的緩和策の導入 …

kourioote
2月決算の小売大手決算。個人消費に多少の明るい兆しが見える

 2月決算の小売大手各社の決算がほぼ出揃った。小売各社の決算動向は、個別企業の業 …

businessman
GDP改定値は下方修正。景気の落ち込みが激しいことが明らかに

 内閣府は2014年9月8日、4~6月期の国内総生産(GDP)改定値を発表した。 …