ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米高官が円安を容認し、1ドル=94円台まで下落。円安が続くと多くの関係者が考えるワケ

 

 為替市場において円安の動きが加速している。週明け11日のニューヨーク市場の円相場は、米財務次官のアベノミクス支持の発言を受けてドルが急伸、一時1ド ル=94円46銭と2年9カ月ぶりの安値を更新した。

 米財務省のブレイナード次官は11日、記者会見で「米国は、成長を取り戻し、デフレからの脱却を目指す日本の努力を支持する」として、アベノミクスに対する支持を表明した。市場ではこれを受けて円売り・ドル買いが急加速した。
 米政府の関係者が安倍政権の経済政策について公式にコメントしたのは初めて。米国が円安を容認するとともに、ドル高政策に舵を切り始めていると考える市場関係者が増えてきている。一部からは1ドル=100円くらいまでは十分に容認できる水準との声も聞かれるようになってきた。

 もちろん急激な円安に対して警戒する声も上がっていた。G7(先進7カ国)が通貨安戦争を回避するための声明を発表することを検討していると報じられたが、結局、声明の内容は「為替レートは市場において決定されるべきで、各国の財政・金融政策は為替レートを目標にしない」という内容に落ち着いた。
 現在の日本の経済政策を容認した形となっており、G7の声明は為替市場には大きな影響を及ぼさないという見方がほとんどだ。

 相場は時に想定以上に大きく動くことがあるので、今回の円安もどこかのタイミングで一時的に円高に逆戻りする可能性は高い。だがそれでも多くの市場関係者が、長期的に円安が継続すると予想するのは、円安に対する条件がすべて整っているからである。
 もちろん今回の円安のきっかけとなったのはアベノミクスによる量的緩和策の追加期待である。だが市場の底流として大きいのは、米国の景気回復と欧州危機の収束である。世界の市場関係者が安心感を高めていたタイミングに日銀の量的緩和が重なったため、円安ドル高が一気に進んだのである。
 一方で日本の財政赤字を懸念し、ネガティブな意味で円を売る投資家も増えてきている。市場回復期待というプラス面と日本の財政破綻というマイナス面の両方から投資家が動いているため、どちらに転んでも円売りは止まらないという構図だ。

 個人投資家でまだ動いていない人は、そろそろ外貨での運用を真剣に検討する時期にきているのかもしれない。

 - 経済

  関連記事

sukiya201408
「すき家」の赤字転落は、これから深刻化する人手不足経済の縮図?

 大手牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングスは、人手不足によ …

super01
日本の伝統工芸品も値上げ?インフレ経済はこうして始まっていく

 本格的な円安が始まってから1年が経過した。当初は灯油や衣類など、輸入品を中心と …

toyotausa
円安にも関わらず自動車メーカーが次々と国内生産を縮小。空洞化は最終段階へ突入

 円安が進行しているにも関わらず、自動車メーカーが国内生産を縮小させている。トヨ …

graph
金融機関が金利上昇に備えを開始。だが水面下ではもっと深刻な事態が進行中

 アベノミクスによる円安が進展したことで、金利上昇の可能性が現実化してきた。実際 …

ichimanen
インフレが進むと実質的に増税となる「インフレ課税」って何だ?

 消費税増税を最終判断する時期が近付いてきたことで、増税の是非に関する議論が活発 …

factory06
国内の設備投資は見かけ上増加。だが季節調整済みではマイナスに

 財務省は2014年3月3日、2013年10~12月期の法人企業統計を発表した。 …

no image
エアバスと防衛大手BAEの合併案に異論噴出!頓挫する可能性も

 欧州航空大手エアバスの親会社EADSと英防衛大手BAEシステムズの経営統合に、 …

meti03
官製ベンチャーキャピタルの産業革新機構は、まるで公共工事のゼネコン

 産業革新機構は2014年1月8日、日米両国のベンチャー企業育成を手がける株式会 …

nyse03
米国は「日本化」しているのか?FRBエコノミストの見解をめぐって激論

 米FRB(連邦準備制度理事会)は2013年12月18日のFOMC(連邦公開市場 …

jdiishikawa
有機ELで日本勢は総崩れ?シャープが突然、ジャパンディスプレイとの連携を呼びかけ

 次世代のディスプレイ技術である有機ELの開発をめぐって国内液晶メーカーが迷走し …