ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

円安なのになぜ?工作機械受注が1月に入って激減の謎

 

 アベノミクスによる円安で製造業の業績回復が期待される中、足元ではそれに水をさす指標がでている。日本工作機械工業会が12日発表した1月の工作機械受注額は約720億円と前年同月比26.1%の大幅マイナスだった。中国などアジア向けが低調なことが主な要因だという。

 工作機械はこれまで中国の旺盛な需要に支えられ、毎月1000億円以上の受注があった。だが昨年後半から注文が激減し、11月と12月は800億円台に低下、1月に入って700億円台前半まで落ち込んだ。工作機械については円安による効果はまったく見られないようだ。

 中国は現在、景気失速の真っ只中。尖閣諸島問題も加わり、中国向け輸出が停滞するのはある程度やむを得ないことである。
 だが問題は、中国経済が本格的に回復した時に以前のような受注水準に戻るのかというという点である。

 中国向けの輸出には大きく二つの需要がある。ひとつは中国のインフラ建設に関するものであり、もうひとつは中国の製造業向けの工場設備である。インフラ建設は中国の内需に、工場設備は最終顧客である欧州や米国の動向に大きく左右される。

 欧州危機によって中国の輸出は減少しているものの、米国向けは比較的堅調である。実は輸出企業向けの出荷はそれほどの落ち込みは見せていないのだ。深刻なのは中国国内のインフラ建設に支えられた需要である。中国は橋や道路などの基本インフラを20年分先取りして建設してしまったといわれており、これまでのような建設ラッシュは当分ないと考えられている。

 今年後半から中国経済が本格的に回復しても、従来のような需要は戻ってこない可能性が高いのだ。一気に進んだ円安によって製造業には業績回復期待が高まっているが、あまり過度な期待はしない方がいいだろう。
 リーマンショック前の米国バブルの時もそうだったが、中国バブルの恩恵を最大限に享受し、その被害がもっとも大きくなるのは実は日本なのかもしれない。

 - 経済

  関連記事

jutakuchuko
既存の住宅インフラを活用する動きが活発化。試される成熟国家「ニッポン」

 既存の住宅インフラを活用する動きが活発になっている。日本はすでに成熟型経済に移 …

nichigin03
日銀が保有する国債は政府債務から切り離せるのか?

 日銀の量的緩和策の是非や政府債務をめぐる論争が活発になってきている。きっかけは …

furyokuhatuden
自民党がエネルギーミックスについて提言。原発をめぐってとりあえず玉虫決着

 自民党は2015年4月、2030年時点における電源比率を定める「エネルギーミッ …

uschinadialog2014
6回目の米中戦略・経済対話が北京で開催。ケリー国務長官とルー財務長官が揃って参加

 米中両国が、安全保障問題や経済問題について話し合う第6回米中戦略・経済対話が2 …

factory01
米欧中で製造業の景況感改善がより鮮明に。米国依存の日本にとっては朗報

 米国政府の一時閉鎖問題によって世界経済が揺れているが、足元の景況感を示す指標は …

nihonbashi201405
三井不動産など増資案件が相次ぐ。インフレ期待の高まりか?

 三井不動産は5月27日、公募増資で最大3246億円を調達すると発表した。同社の …

jinmingen
IMFが特別引出権(SDR)に人民元を採用。英国の全面支援が決め手?

 IMF(国際通貨基金)は、11月にも特別引き出し権(SDR)と呼ばれる準備通貨 …

kuroda02
日銀が2度目の物価目標先送りでも追加緩和実施せず。頼みの綱は米利上げ

 日銀は2015年10月30日に開催した金融政策決定会合で、物価上昇率2%の達成 …

doitsuginkou
ドイツ銀行の危機は、不良債権問題というより利ざやの縮小による収益悪化

 ドイツ銀行の経営破たん懸念が市場のムードを悪化させている。現実に同行が破たんす …

kuroda
本当はコワイ、日銀・黒田新総裁の主張。日本人は理解しているのか?

 日銀の白川総裁は3月19日、退任記者会見に臨んだ。白川総裁は、デフレを脱却と持 …