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安倍首相の訪米を前に、与党内でTPPをめぐる動きが活発化

 

 安倍首相の訪米日程が近づいてきたことから、環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐる与党内の動きが活発になってきた。

 TPP推進派議員でつくる「環太平洋経済連携に関する研究会」は13日、約30人が出席して党本部で会合を開いた。
 共同代表の中村博彦元総務政務官は「安倍内閣の成長戦略にTPP参加は避けて通れない」と述べ、進捗状況を見て例外品目などいついて政府に定期的に提言する方針を明らかにした。

 一方、TPP反対派議員でつくる自民党の「TPP参加の即時撤回を求める会」(森山裕会長)はすでに昨年から会合を重ねており、メンバーは200人を超える大所帯となっている。森山氏は「聖域なき関税撤廃が前提のTPP交渉には参加しないという基本をしっかり守っていく」と語っている。

 自民党の公約は、聖域なしが前提のTPP交渉には参加しないというものだが、TPPは原則として聖域なしの関税撤廃交渉なので、理屈でいけば参加を表明することはできなくなる。
 だが米国は日米首脳会談においてTPP参加を求めてくることは確実であり、経済産業省などではTPP参加を前提に実務を進めているのが現実だ。

 安倍晋三首相は8日の衆院予算委員会で、「『聖域なき関税撤廃』を前提としているのかどうか私自身が確認した上で判断したい」と述べ、首相自身が直接オバマ大統領に対して意向を確認する方針であることを明らかにした。
 日本側の事情を米国が考慮すれば、オバマ大統領から聖域はあってもよいとの発言が出てくる可能性もあり、そうなれば安倍首相は公約違反ではないとしてTPP参加に舵を切ることになる。もしオバマ大統領からの言質がとれない場合には、夏の参院選までは何とか白黒を付けない状態で時間を稼ぐというやり方が選択されるだろう。参院戦で勝利すれば、その勢いに乗ってあらためてTPP参加を表明する可能性が高い。

 いずれせよ、すでにTPPは参加が大前提となっており、与党内では補償など「カネ」の話に主題が移りつつある。ただ公約との整合性の問題が政局に発展する可能性もゼロではない。参院選をにらみながらの神経戦がしばらく続くことになる。

 - 政治

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