ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

円滑化法が3月で期限切れ。倒産予備軍10万社なのに慌てた様子がないのはなぜ?

 

 中小企業金融円滑化法の期限が3月末で切れることから、10万社ともいわれる倒産予備軍が顕在化するのではないかという懸念が広がっている。

 中小企業金融円滑化法は、リーマンショックを受け、2009年末に亀井静香元金融相が導入したもので、別名モラトリアム法とも呼ばれる。企業から返済を猶予して欲しいと申し出があれば、金融機関はそれに応じなければならないという、かなりムチャクチャな法律で、もともとは時限立法だったが、2度の延長を経て、今年の3月に最終的に打ち切りとなる。

 昨年9月時点で370万件の申し込みがあり、そのほとんどに対して返済猶予措置が取られた。返済を猶予された債権額は100兆円を超えるとされ、3月の打ち切り後には10万社以上が倒産の危機に直面するといわれている。

 実際に10万社が倒産すれば、地銀を中心に破綻する金融機関が続出し、再び金融危機になる可能性もあるわけだが、意外にもすぐにそのような事態になると見る関係者は少ない。とういうのも、日本の地域経済は完全に「終わって」おり、円滑化法を駆け込み寺にした中小企業の多くはすでに事実上倒産しているからである。

 2003年の金融危機の時には、まだ日本経済には希望があり、市場も不良債権を正しく評価しようという意気込みがあった。だが現在となってはそのような前向きな雰囲気はなく、不良債権はあって当たり前という状況。このまま状況をズルズルと先延ばしにするしか選択する道がなくなっているのだ。
 金融庁は市場の混乱を防ぐため、地銀などに対して中小企業再生ファンドの設立を急がせている。地域金融機関と自治体が共同で設立したファンドに、中小企業向け債権を譲渡し、再生ファンドが時間をかけて再生支援していくという。

 とりあえず事業が継続できるところは再生ファンドに譲渡して損失を先送りし、事業の継続が難しいところは、混乱が生じない程度に順次倒産させていく。もし大きな臨界点が来るとしたら、それは日本全体が沈没する時になる。つまり日本がギリシャやスペインのようになるまで、不気味に平穏な日々が続くことになるのだ。

 - 政治, 経済

  関連記事

souzouteki
日本には創造性が求められる仕事などない、という若者の認識はかなり正確?

 日本の若年層の中で、自分のことを創造的だと考える人は8%しかおらず、創造性が求 …

toyodaakio
トヨタが個人投資家向けにわざわざ種類株を発行する理由

 トヨタ自動車は2015年4月28日、値下がりリスクを抑える代わりに、売却や配当 …

seiho
バブル崩壊以来続いた生保の逆ざやが解消。金利上昇で保険会社はさらに有利に?

 生命保険各社の業績が上向いている。主な要因はバブル期に販売した予定利率の高い商 …

wallstreet
富の偏在が進む米国。だが日本もそれに劣らない格差大国

 米国で100万ドル(約1億円)以上の金融資産を持つ世帯が1000万世帯に達しつ …

minogamofuji
美濃加茂市長の無罪判決に検察側が控訴。弁護側は憲法違反と批判

 名古屋地方検察庁は2015年3月18日、岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長を無罪と …

apple2016q1
アップルの四半期決算。過去最高の売上高だが中国市場は急減速

 米アップルの業績が大きな曲がり角に差し掛かっている。数字上は四半期ベースで過去 …

wimbledon
自国選手優勝まで77年。ウィンブルドン方式(市場開放)は有効な経済政策になるか?

 テニスの世界4大大会であるウィンブルドン選手権(全英オープン)において、7月7 …

obamapowerrice
オバマ大統領が次々と独自色の強い人事案を発表。共和党との対決に自信

 オバマ米大統領は独自色を強く打ち出した人事を相次いで発表している。6月5日、退 …

panasonic
パナソニックがテレビ事業を大幅縮小。だがこれで何屋さんか分らない状態に

 パナソニックがテレビ事業を大幅に縮小すると日本経済新聞などが報じている。同社は …

abeusa
日本を米国並みのベンチャー大国にするという首相の驚愕発言がもたらすリスク

 訪米中の安倍首相が米国人を前に大胆な発言を連発している。9月25日、ニューヨー …