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米とEUが米欧FTAの交渉開始。これが出来上がるとTPPなど吹っ飛ぶ?

 

 米国と欧州連合(EU)は13日、米欧における自由貿易協定(FTA)の交渉を開始することで合意した。オバマ米大統領は12日の一般教書演説において協議を開始する方針をすでに発表済み。欧州連合のバローゾ委員長も「今年上期中に交渉開始の運びとなる」との見通しを示した。

 もし米国と欧州のFTAが実現すると、世界経済のほぼ半分、世界貿易の約3割を占める巨大自由貿易圏が誕生することになる。米欧で締結された協定は世界貿易のスタンダードになることは確実で、現在進められている多くの自由貿易協定はあまり意味をなさなくなる可能性が高い。

 もちろん、現在の米国と欧州の間には、多くの問題が山積しており、交渉には紆余曲折も予想される。だが欧州委員会のデフフト委員(通商担当)は「容易な事業ではないが、今後2年以内に終わらせるのが理想だ」と語り、早期の実現に意欲的な姿勢を示した。

 米国EU間の関税は現在平均で約4%とすでにかなり低い水準にある。ただ乗用車はEUが10%の関税を維持するなど、個別には保護色の強い分野が残っているほか、農業分野については双方が多くの保護政策を実施している。これらの関税が撤廃されればEUのGDPを年0.5ポイント、米国のGDPを0.4ポイント押し上げる効果あるという。
 だが米欧FTAがもたらす影響力は単純な経済効果だけではない。米国とEUの経済圏が実現すれば、あらゆる分野における製品規格や産業規制、農産物基準が、グローバルに統合される可能性が出てくるのである。
 そうなると、米欧基準を満たさない製品やサービスは世界中で締め出される結果にもなりかねないのだ。現在日本はTPPに関する参加の是非で国論を二分する大激論となっているが、米欧FTAがもたらす影響を考えると、TPPなどお遊びに見えてくる。

 米欧FTAが実現した時には、日本は本当に開国を行うのか、それとも鎖国して引きこもるのか、踏み絵を踏まされることになるだろう。今度の踏み絵はあまり冗談の通じる踏み絵ではない。

 - 政治, 経済

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