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オーストラリア人工作員の不審死で明るみに出たモサド対外工作活動の実態

 

 イスラエルの諜報機関モサドの工作員だったオーストラリア人男性が、イスラエルの刑務所で死亡したと豪メディアが報じたことで、イスラエルとオーストラリアでちょっとした政治問題になっている。

 死亡したのは、ベン・ズィギヤー氏(34)で、2010年にテルアビブ近郊の刑務所の独房内で自殺したという。ズィギヤー氏はオーストラリア生まれのユダヤ人で、イスラエルに渡りモサドの工作員として活動していたという。
 モサドはイスラエルの諜報機関で、多数の特殊工作員を抱えていることで有名。最近はスパイを公募しているとして話題になったこともある(本誌記事「イスラエルの諜報機関モサドがネットで人材募集」参照)。ズィギヤー氏がスパイになった経緯は不明だが、モサドが積極的に外国人をスパイとして雇っている実態が明らかになった。

 ズィギヤー氏が拘束されていた理由は不明だが、二重スパイなどの容疑であった可能性が高い。イスラエル当局は同氏について報道管制を敷き、長期間にわたって拘束した事実を隠ぺいしていた。だが豪メディアが事実関係を報道したことから、一転して「イスラエルとオーストラリアの二重国籍を持つ人物を独房に収容していた」と認めた。
 またオーストラリアのカー外相は、当初はズィギヤー氏の死後に事実関係を知ったと説明していたが、14日の議会委員会では、豪政府が拘束当時にすでにイスラエル政府から情報提供を受けていたことを認めた。豪政府は適切な身柄の取り扱いを保証するよう求めたという。

 モサドの工作員はオーストラリアの偽造パスポートを使って対外活動を行うケースが多いといわれている。モサドが暗殺などの工作対象とするのは主に中東諸国のイスラム勢力だが、アラブ人にとってオーストラリアは知名度が低く、英語を話せればあまり疑われることがないという(西欧圏では同じ英語でも各国に独特の訛りがあり、偽装は容易ではない)。
 オーストラリア政府はこの話に憤慨しているというが、今回の事件はオーストラリア人を使ったモサドの対外工作がかなり活発であることを示す結果となった。

 - 政治

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