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ロシア軍機がグアム上空を威嚇飛行。これは尖閣問題と完全にリンクしている

 

 米太平洋軍は、ロシア空軍の航空機がグアム島近辺の上空を旋回し、米軍のF-15戦闘機が緊急発進(スクランブル)したことを明らかにした。
 旋回した航空機はロシアのツポレフ95S型爆撃機2機で、領空侵犯はしていないという。F-15戦闘機は沖縄にある米軍嘉手納基地から演習のために派遣されていたという。米メディアの一部では爆撃機が核弾頭を装備していたと報じたが、そのようは事実はないという。ロシア側はこの飛行について事実ではないとしている。

 ロシアは日本近海でも同様の行動を行っている。防衛省は7日、ロシア空軍のスホイ27戦闘機2機が北海道利尻島沖の領空を侵犯したと発表した。ロシア機による侵犯は2008年2月の伊豆諸島沖以来約5年ぶりとなる。

 ロシアが日本や米国の領空を侵犯あるいはそれに近い行動を取っている背景には、当然、日本と中国との間に発生した尖閣諸島問題がある。
 日本に対しては、尖閣諸島問題の発生によって、日本の防衛体制に変化があったのかを確認するとともに、政治的に揺さぶりをかけるために領空侵犯を行った可能性が高い。だがより重要なのは今回の米国に対する威嚇である。

 グアムは米国における次世代アジア太平洋戦略の拠点となる地域である。米軍は基本的に沖縄から海兵隊を撤収させ、グアムに集結させる大掛かりな組織再編を行っている。実は、この動きは地政学的な解釈では日米安保の重要性が大幅に低下したことを意味している。はっきり言ってしまえば、米国は以前のように日本を重要拠点と位置付け、防衛するつもりはないのである。

 それは尖閣諸島問題にもよく表れている。米国は日米安保に基づいた日本の施政権については認めているが、領有権については日本の立場をまったく認めていない。中国との対話を進めたい米国としては、本音では日本が中国と領有権問題で対立することを好ましく思っていないのだ。
 このタイミングでロシア軍機がグアム近辺を飛行したのは偶然ではない。日米安保の重要度が低下する中、新しい太平洋戦略の拠点としてのグアムについて、米国がどの程度重視しているのかを探ることが今回の飛行の目的と考えられる。

 今後、ロシアは尖閣諸島問題の進展を見ながら、日本や米国に対してより危険度を上げた揺さぶりをかけてくる可能性が高い。ロシア側の最終的な狙いは、日本の各国からの孤立である。残念ながら日本はその方向にむかってまっしぐらに進んでいるように見える。

 - 政治

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