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家族制度に関する内閣府の調査が明らかにした、少子化が止まらない意外な理由

 

 内閣府は2月18日、家族の役割や夫婦別姓などに関する世論調査(家族の法制に関する世論調査)の結果を発表した。日本人は苗字について、個人を特定ためのIDという意味合いよりも、先祖から受け継がれてきた「イエ」としての意味合いを重視しており、この傾向にあまり変化がないことが分かった。

 調査は昨年12月に実施したもので、全国に住む20歳以上の男女5000人に対して聞き取りを行った。

 名字(性)とはどういうものと思うかという問いに対しては「他人と区別して自分を表すためのもの」と答えた人が11.3%だったのに対して「先祖から受け継がれてきた名称」と答えた人は45.9%に上った。「夫婦を中心とした家族の名前」と答えた人は17.9%だったことから、苗字については圧倒的に先祖から受け継がれてきた名称であるとの認識を持っていることが明らかとなった。

 この数字は17年前(1996年)に実施された同様の調査(41.1%)よりも若干増えており、時代によってあまり変化していないことがわかる。

 これに関連して、実家の名字を残すために婚姻をすることが難しくなることがあると思うかとの問いについては、40.1%の人が「ある」と答えている。さらにこの質問に「ある」と回答した人のうち20.4%が、実家の名前を残すために、婚姻が難しくなることは仕方ないと考えていることもわかった。この数値は男性の方が高い(23.8%)が女性も17.7%の人がそう考えている。
 上記の結果から、日本人の多くは昔ながらの「イエ」制度を重視しているが、昔とは異なり、男系の家系を中心とした「イエ」ではなく、女系も含めて「イエ」制度の存続を望む傾向が強くなっていると考えることができるだろう。

 夫婦別姓に関する調査項目もこれを反映した内容となっている。67.1%の人が、夫婦の名字が異なると子供に何らかの悪影響があると考えており、完全な夫婦別姓を認めてもよいとする人は35.5%だった。

 戦後の日本は核家族化が進み「イエ」制度が崩壊するかに見えた。欧米では大家族主義から核家族に変化し、その後「イエ」の制度はなくなった。だが日本の場合には、家父長的な大家族主義はなくなったが、核家族を単位とする「イエ」制度が存続する結果になっているようである。
 核家族を単位とした「イエ」制度の是非はともかくとして、この形態が婚姻の障害になることだけは間違いない。男性も女性も自分の実家の名字を残そうと考え、かつ夫婦別姓を認めないのであれば、結果的に結婚を諦めざるを得ない人が一定数出てくることは容易に想像できる。
 この傾向が続けば、シングルマザーが増えない限り、日本の少子化は食い止められないことになる。

 - 社会

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