ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米国で日本の系列取引に対する批判が再燃の可能性。今回はもう取引材料がない?

 

 一時期は鳴りを潜めていた日本メーカーに対する批判が、米国で再燃しそうな兆候が出てきている。2月15日の米ウォール・ストリート・ジャーナルには、日本の自動車メーカーのKeiretsu(系列)取引を批判する記事が掲載され、関係者の間で話題となっている。

  かつて日本製品が圧倒的な競争力を持っていた80年代から90年代にかけて、米国では日本製品や日本メーカーに対する執拗な政治的攻撃が続いた。日本メーカーは現地生産を進め、米国の雇用を増やすことで、その批判をかわしてきた。

 その後、日本メーカーの相対的な地位が低下したことや、中国や韓国という新しい脅威が生まれたことで、日本メーカーに対する批判はかなり下火になっていた。だがここにきて、トヨタなど一部の日本メーカーの北米販売が絶好調であることから、再び批判の矛先が向くのではないかと警戒する声が上がっているのだ。

 現在、参加の是非をめぐって議論が戦わされているTPPや、米国と欧州での締結が予想される米欧FTAなど、各種自由貿易協定の締結がその流れを加速するかもしれない。
 自由貿易協定をより有利に進めるために、独占禁止法に抵触する可能性があるとして、系列取引がやり玉に上がる可能性があるのだ。

 かつて日本が米国と自動車や半導体について交渉していた時代は、日本には圧倒的な競争力があり、交渉である程度の妥協を強いられても、大きく損はしないという確証があった。だが日本をとりまく環境は激変しており、日本メーカーにはかつてのような競争力はない。このような状況で日本製品が政治的なターゲットになった場合には、一方的な損失になってしまう。
 また日本には米国と交渉材料にするタマもほとんど持ち合わせていない。日本メーカーに対する政治的な攻撃が再開された場合には、日本は防戦一方の状況を強いられるだろう。

 - 政治, 経済

  関連記事

puticshukinpei201405
中国がロシアから天然ガスを高価格で大量購入。ウクライナ問題でロシアが優位に?

 ロシアと中国が、天然ガス供給に関する大型の長期契約を締結した。ロシアはEUに代 …

keitairyoukin
迷走する携帯料金引き下げ問題。日本の劣化を示す象徴的な事例

 携帯料金の見直しに関する議論が激しさを増している。高市早苗総務大臣は、記者団に …

trumpusa
トランプ政権の経済閣僚が固まる。かつての対日貿易交渉がそのまま中国版にシフト?

 トランプ次期政権の経済チームの顔ぶれがほぼ固まった。対中強硬派の人物が多く、中 …

jrkyushu
JR九州の株式上場計画。政府支援の是非など、克服すべき課題が山積

 九州旅客鉄道(JR九州)が2016年度中の株式上場に向けて動き出した。だが、完 …

orinpic
日本政府の借金1000兆円は、1964年の東京オリンピック開催が発端だった?

 2020年のオリンピック開催地を決定するIOC総会が間もなくアルゼンチンで開催 …

kyosho201502
オバマ政権が打ち出した海外利益課税策。米企業の立地戦略はどうなる?

 オバマ政権が打ち出した企業の海外利益に対する課税策が米国内で議論となっている。 …

peugeot
政府主導なのにお金を出すのは中国企業?日本が学んではいけない仏プジョー救済劇

 経営不振に陥っているフランスの自動車大手プジョーシトロエングループは2014年 …

kokusai
国債下落が金融機関に与える影響は低下傾向。だが安心できない最近の動き

 日銀は10月の金融システムレポートにおいて、2013年6月時点における金融機関 …

kimujonun04
北朝鮮が米国に対して突如、二国間交渉を提案。米側はとりあえず拒否

 北朝鮮の国防委員会報道官は6月16日、重大談話を発表し、米朝の高官による二国間 …

japandisplay
「国営企業」ジャパンディスプレイの公募価格割れから考える、過剰な政府介入のリスク

 オールジャパンを掲げ、鳴り物入りでIPO(新規株式公開)したジャパンディスプレ …