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円安なのに輸出が増えない!Jカーブ効果というが本当なのか?

 

 財務省が20日発表した1月の貿易収支は1兆6294億円の赤字となり、単月の赤字額 としては過去最大となった。原発の稼働停止でエネルギー輸入が増加していることに加えて、大幅な円安で全体の輸入額が膨らんだことが主な要因。

 当たり前のことだが、円安になると輸入価格が上昇し、貿易赤字が増加する。一方輸出には有利になるので、その効果は相殺されるはずだ。だが貿易統計の結果を見る限り、輸入価格だけが上昇し、輸出価格は上がっていないことになる。つまり日本は円安のメリットをまったく受けていないのだ。

 もちろんこれに対しては教科書的な模範解答がある。「Jカーブ効果」と呼ばれるものである。為替レートが変動した際、その効果が表れるまでには時間がかかるため、タイムラグが生じることを指す。グラフがJの形を描くようにして効果が表れることからその名が付いた。
 Jカーブ効果の理論によれば、円安によって価格競争力が付き、輸出の数量が増えるまでには時間がかかるが、やがて輸出も増え、貿易赤字も一段落することになる。

 だが果たしてそうだろうか?もちろん円安によってある程度の輸出量の増加は見込めるだろう。だが足元では、それ以上に輸出量の減少が続いており、円安の効果を相殺してしまう可能性が出てきているのだ。

 日本の中国向け輸出は1年間で10%以上、欧州向けの輸出は15%以上減少している。欧州と中国の不振がこのまま続けば、円安の効果はすべて吹っ飛んでしまうことになる。輸出が減少している理由は欧州経済と中国経済の不調にある。もしそうであれば、欧州と中国の景気が回復すれば輸出は元に戻るはずだ。
 だが輸出の減少は、必ずしもそれだけが原因とは限らない。日本製品の競争力低下という根本的な問題である。付加価値の低い製品は価格以外に勝負する点がないので、為替が安くなれば、そのまま競争力の強化につながる。
 だが日本は「技術力」で勝負する「ものづくりの国」ということになっている。技術力で勝負する付加価値の高い製品は、為替よりも製品そのものの魅力で売上げが決まる。欧州向け、中国向けの輸出減少は、日本製品の競争力低下もその原因のひとつになっているのだとすると、為替が安くなっても輸出額は増えないことになる。

 Jカーブ効果が表れるのは半年から1年後といわれる。今年後半あたりにはこの問題の答えは出ていることになるだろう。もし輸出が増えていないようなら、アベノミクスは、円安にして物価を上げ、赤字を増やしただけという結果に終わってしまう。

 - 経済

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