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アフリカのマリが第二のイラク、アフガンに?マリ軍への移管ができず仏軍が苦慮

 

 イスラム武装勢力の追討を目指してフランスが介入したアフリカのマリ共和国において、同国が第二のイラクやアフガニスタンになる懸念が出てきている。

 マリ北部最大の都市ガオで10日、2日連続で自爆攻撃が発生した。その後、イスラム過激派組織が警察本部近くの建物を占拠し、マリ軍兵士と銃撃戦になった。
 当初フランス軍は、マリ軍主体との基本方針から傍観しているだけであったが、マリ軍が次第に統率力をなくしてきたことから、直接介入に踏み切った。
 フランス軍の精鋭部隊が投入され、過激派組織を攻撃するとともに、ヘリコプターの出動要請を行い、最終的には警察署と付近の施設を爆撃したという。

 フランスはあくまでマリ軍の支援という立場を前提にしている。このため、イスラム武装勢力に占拠されていた北部の街を開放する際も、マリ軍に行進させ、その様子をTV放映させる措置をとっていた。だが実際には、武力攻撃のほとんどをフランス軍が実施しており、マリ軍は今のところその水準に達していない。

 フランス軍はマリ軍兵士を教育し、自力で治安維持ができるまで支援するとしている。当初の作戦は大成功を収めるものの、現地兵士への移譲が進まず、ゲリラ的な攻撃に苦慮するというのは、まさに米国がイラクやアフガニスタンで経験してきたことそのものである。今回のガオでの戦闘は、フランスも米国と同様の苦難に直面する可能性があることを示唆している。

 イスラム勢力に対する介入は、はるか昔から超大国が苦慮しているテーマである。古くは100年ほど前、英国は現在のイラクを統治すべく、様々な策を講じた(英国の工作員である「アラビアのロレンス」の話は有名)が、手強い反英運動に悩まされることになった。
 英国から米国に覇権が移ってからは、米国が英国と同じ轍を踏んでいる。またアフガニスタンには米国よりの介入よりはるか以前に、旧ソ連が介入を実施しているが、激しいゲリラ戦に悩まされ、結局アフガニスタンからは撤退した。

 マリは、イラクやアフガニスタンに比べれれば介入や統治がしやすいと考えられる。だがフランスの国力を考えると、それほどたやすくマリ軍への移譲が完了するかどうかは不透明だ。フランスはマリ統治における最初の関門に差し掛かっている。

 - 政治

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