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夕食会も出迎えもなし。日米首脳会談で見せ付けられた日本軽視の厳しい現実

 

 米国を訪問した安倍首相は、日本時間23日未明(現地時間22日午後)、オバマ米大統領とホワイトハウスで会談した。日本側は、TPP(環太平洋経済連携協定)について「全ての関税撤廃をあらかじめ約束することを求められているわけではない」ことが確認できたとして、早期に交渉に参加する意向を表明した。また日米同盟の重要性についても再確認できたとしている。

 だがオバマ大統領は、今回の首脳会談の開催そのものについて疑問視しているといわれる。当初米国側は開催について難色を示していたが、日本側のたっての望みで会談にこぎつけたという経緯がある。このため安倍首相に対する応対はかなり冷淡で事務的なものになった。

 通常、主要友好国の首脳が米国を訪問する際には、大統領主催の夕食会が開催されることが多い。2011年にドイツのメルケル首相が訪米した際は、大統領夫妻、副大統領がホワイトハウスで直接出迎え、大統領主催のディナーにメルケル首相を招待している。英国のキャメロン首相が訪米した際には、オバマ大統領は大統領専用機にキャメロン首相を乗せ、バスケットボール観戦に招待するというパフォーマンスも見せている。韓国の李明博大統領訪米の際も、ホワイトハウスで夕食会が開催された。

 だが今回の安倍首相の訪問に対する米国側の対応はかなり冷淡だ。安倍首相とオバマ大統領の会談は、ミーティング・ルームでの軽いランチを含めてわずかに1時間30分程度。
 さらに衝撃的なのが、首脳会談後の記者会見である。オバマ大統領はほとんど中身のない社交辞令的なスピーチに終始したが、その後の記者からの質問は安倍首相そっちのけで、米国政府の歳出強制削減問題に集中。見かねたオバマ大統領が「次の質問は安倍首相に向けられることを提案します」と助け舟を出す始末。

 米国における日本の重要度が下がり、日本に対する関心が薄れているというのは、以前から指摘されていたことではあるが、今回の首脳会談はその現実をまざまざと見せつけられる結果となった。
 野田前首相の訪米の際も、会談のテーマや目的などを明確化したいという米国側に対して、日本側は「とにかく会談をしたい」の一点張りで、米国側をあきれさせたといわれている。今回の訪米についても、オバマ大統領との友好関係を強調したい安倍首相が、首相就任前の訪米を無理に打診し、オバマ大統領が一蹴するという事件があった。記念写真の撮影のためだけに相手を利用するような付き合い方をくり返していては、日本への信用は低下するばかりだ。

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