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日銀次期総裁は黒田氏。財務省と政権で痛み分け?金融政策のカギは岩田副総裁

 

 政府は3月19日に退任する日銀の白川総裁の後任に、元財務官でアジア開発銀行総裁の黒田東彦(はるひこ)氏を起用する。副総裁は、日銀の中曽宏理事と、インフレターゲット論者で学習院大教授の岩田規久男氏になる見込み。安倍首相は週内にも国会に人事案を提示する。

 黒田氏は財務省出身、榊原英資氏の後任として1999年から2003年まで財務官を務めた。現在はアジア開発銀行総裁であり、国際金融に関する豊富な経験を持つ。

 日銀総裁人事をめぐっては、総裁ポストを奪還したい財務省と、金融緩和路線を強調したい安倍政権との間で駆け引きが行われていた。財務省としては事務次官経験者の武藤敏郎氏の就任を強く求めていたが、政界や市場からの反応はいまひとつ。とにかく総裁のイスを確保することが先決との判断から黒田氏で妥協したと考えられる。
 安倍政権としては、市場や世論に対してある程度説明がつき、財務省にも恩を売れることから、黒田氏が適任と判断した可能性が高い。

  積極的な金融緩和を目指す安倍政権のカラーを演出するのは、副総裁候補の岩田氏ということになる。一方、副総裁のポストを死守することを目指していた日銀としては、日銀出身の中曽理事の就任がきまったことで、とりあえず胸をなでおろしている。

 黒田氏は金融緩和に積極的といわれており、市場もそれを好感している。黒田氏就任のニュースが流れると為替市場は一気に円安に振れた。ただ黒田氏は日銀による外債購入は明確に否定している。また当然のことながら出身母体である財務省の意向を汲む必要もある。実際に総裁としての実務が始まってからは、黒田氏がどの程度安倍政権の意向を反映できるのかは未知数だ。官僚出身の手堅さで、緩和寄りの姿勢を示しつつ、安全運転を行う可能性も高い。

 むしろ、次の金融政策のカギを握るのは、副総裁に就任する岩田氏だ。岩田氏は学者であり、自説であるより積極的な緩和策を主張してくる可能性がある。一方、学者はバックの組織がなく、日銀官僚にコントロールされやすい。副総裁就任後は日銀サイドの意向に忠実になってしまう可能性もある。

 安倍政権は日銀法改正という伝家の宝刀はまだ抜いていないため、ひとまず黒田総裁の運営ぶりを静観することになるだろう。

 - 政治, 経済

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