ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

イタリア総選挙が大混乱。欧州危機が再燃するのか?それもと一時的なショックか?

 

 2月24日と25日に投票が行われたイタリア総選挙の結果が大混乱となり、世界の市場が揺れている。イタリアでは、EU主導の緊縮財政に国民の不満が爆発、これまで財政再建と構造改革を優先し、国際的には信任の厚かったモンティ首相が辞任を表明し、総選挙となった。

 当初はモンティ首相率いる中道連動と民主党のベルサーニ書記長率いる中道左派連合の争いになると思われたが、「イタリアの暴れん坊」であるベルルスコーニ元首相が選挙戦に参戦(本誌記事「イタリアの暴れん坊ベルルスコーニ元首相が「欧州危機はドイツの陰謀」と絶叫!」参照)、さらにお笑い芸人のグリッロ氏(写真)が既成政党打破を掲げて立候補したことで大混戦となった。

 ベルサーニ氏は緊縮一辺倒を批判しつつも、モンティ路線の継承を表明しているのに対し、ベルルスコーニ氏とグリッロ氏は「EUやドイツがイタリアをダメにした」として、緊縮路線の即刻廃止を求めている。このため、金融市場ではベルルスコーニ氏やグリッロ氏が政権を担うことになれば、EUの財政再建路線が破たんするとして懸念を強めていた。

 開票の結果は、ベルルスコーニ氏の中道右派やグリッロ氏の「五つ星運動」が大躍進。下院ではベルサーニ氏率いる中道左派が第1党になる可能性が高いものの、上院では過半数の議席を確保できず連立が必至の状況となっている。ただし、ベルサーニ氏は今のところ10%程度しか得票できていないモンティ元首相以外には連立相手がいない状況で、両党を合わせても上下両院で過半数を獲得することは難しい。最悪の場合には、再度選挙となる可能性も出てきた。

 イタリア総選挙の開票速報を受けて、市場では欧州危機が再燃するとの不安が高まっている。東京市場では急激に円高が進行し、前日まで94円台だったドル円相場は26日未明には一時90円台まで続伸した。また25日のニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価が216ドル(1.55%)と大幅に下落したほか、東京株式市場も200円以上下落して始まった。
 為替市場では、年始以来の円安進行で利益確定売りが出やすい状況だったこともあり、急激に円高が進んだと考えられる。イタリアの総選挙の結果が、小康状態となっていた国際的な金融市場をもう一度危機モードに戻してしまうのか、一時的なショックに終わるのかはまだわからない。市場関係者は慎重に状況を見極めようとしている。

 - 政治, 経済

  関連記事

obama201406
オバマ大統領がイラクに派遣する軍事顧問は、ビンラディンを殺害した精鋭特殊部隊

 オバマ米大統領は2014年6月19日、イラクに軍事顧問団を300人派遣する方針 …

kuroda02
日銀サプライズ追加緩和。長期金利を意識したものだった可能性も

 日銀は10月31日の金融政策決定会合において、追加の量的緩和策を決定した。追加 …

super02
家計の消費支出は3カ月連続でマイナス。安倍政権は10%増税をどう判断するのか?

 総務省は2014年7月29日、6月の家計調査を発表した。2人以上の世帯の消費支 …

sonyhirai
ソニーが最悪のタイミングで増資を発表。もはやグローバル企業ではなくなった?

 ソニーが突然、公募増資などによる最大4400億円の資金調達を発表した。業績回復 …

imf201601
IMFの世界経済見通し。中国のくしゃみでロシアとブラジルが高熱ダウン

 IMF(国際通貨基金)は2016年1月19日、世界経済見通しの改定値を発表した …

trumpchina
米中首脳会談は表面的には穏やかに終了。貿易不均衡をめぐる交渉は長期戦に

 注目されていた米中首脳会談は表面上は穏やかに終了した。トランプ政権は貿易不均衡 …

zangyou
働き方改革で政府が残業時間規制を検討。結局はサービス残業増えるだけ?

 政府は長時間残業を是正するため、労働基準法を見直し、一定以上の残業を規制する検 …

zangyou
米国人は仕事中毒?休暇中もノートパソコンを叩く人が増加中

 米国では休暇先にパソコンを持ち込み、仕事をする人が増えているという。日本では残 …

choukikinri
デフレは構造的要因と譲らなかった白川前総裁はやはり正しかったのか?

 日本の長期金利低下が加速している。10月2日の債権市場では10年物国債の利回り …

asakusa02
訪日外国人観光客は海外旅行に出かける日本人の1.3倍も消費している

 政府は2015年6月5日、観光立国推進閣僚会議を開催し、訪日外国人を2000万 …