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セックス・スキャンダルに揺れる英国カトリックの大司教が辞任。法王選挙にも参加できず

 

 英国カトリック教会のトップであるオブライエン枢機卿が2月25日、スコットランド・エジンバラ大司教を辞職した。オブライエン枢機卿は、1980年代から神学生に対する性的虐待を繰り返していたとして告発されている。本人は行為を否定しているが、混乱の責任を取って辞任する。3月に開催される予定のローマ法王の選出会議(コンクラーベ)には出席しない。

 オブライエン枢機卿は歯に衣を着せぬもの言いで有名で、妊娠中絶、安楽死、同性愛などに関する保守的な立場を主張してきた。
 一方で聖職者の婚姻を認めるべきという、現実主義的な面も持ち合わせている。

 ローマ・カトリック教会は、聖職者による性的虐待スキャンダルとマネーロンダリング疑惑に揺れている。2月11日に存命中の退位を突如表明したベネディクト16世は、本当の退位の理由を明かしていないものの、これらの一連のスキャンダルが背景にあることはほぼ間違いないといわれている(本誌記事「存命中の退位は700年ぶり。ローマ法王ベネディクト16世、突如退位の謎」参照)。

 オブライエン枢機卿は、当初辞任するつもりはなく、コンクラーベにも出席する意向であったといわれる。だが急遽、辞任表明に至った背景には、バチカンからの圧力があったというのがもっぱらの見方だ。
 バチカン内部では、スキャンダルの膿を出し、現実的な路線に転換しようという改革派と旧守派の間で熾烈な権力闘争になっているといわれている(本誌記事「ローマ法王の選出会議(コンクラーベ)開催が早まる。イタリア大衆紙では陰謀論が沸騰」参照)。セックス・スキャンダルがマスコミに大々的に取り上げられたオブライエン枢機卿は真っ先にターゲットになった格好だ。

 バチカンに対する各種批判が世界中で増大していることには、実は「経済や社会のグローバル化が大きく関係している」(イアン・ブルマ米バード大学教授)という。グローバル化の進展で各国の生活様式や価値観の違いが少なくなり、それまで地域で許容されたきた特権的な立場が肯定されなくなってきている。カトリック教会もその影響を受けているとうわけである。

 次のコンクラーベで誰がローマ法王に選出され、どのような方向性を示すのかは、今後のグローバル経済の行方を占うひとつの指標になるのかもしれない。

 - 社会

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