ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米国失業率が4年ぶりの低水準。米国経済の復活で世界のお金の流れが大逆転?

 

 米労働省は3月8日、2月の雇用統計を発表した。これによると、非農業部門雇用者数は前月比で23万6000人の増加となり、市場予想の16万人増を大幅に上回った。また失業率は7.7%で、先月から0.2ポイント低下し2008年12月以来の低水準となった。これを受けてダウ平均株価は4日連続で市場最高値を更新し、ドル円は96円台まで上昇した。

 米国経済はリーマンショック後、堅調な個人消費を背景に緩やかな回復を続けてきた。だが住宅価格の下落と10%近くまで上昇した失業率が当面の懸念材料となっていた。
 だが住宅価格は昨年末から急激に上昇を開始し、自信を深めた米連邦準備理事会(FRB)は失業率の上昇が見られるまで緩和政策を続けるという、いわば失業率ターゲットともいうべき政策を開始した。これが功を奏し、株価は上昇、ダウ平均株価は史上最高値を更新した。
 最後の懸念材料であった失業率の低下が確認されたことで、米国経済の先行きはかなり明るいものとなった。

 FRBは、当面緩和策を継続する意向を示してるが、水面下では緩和策を縮小し平常モードに戻るための、いわゆる「出口戦略」を準備し始めている。2月20日に公開された公開市場委員会(FOMC)の議事録では、これまでの緩和策を継続する内容だったものの、FOMCメンバー間で緩和策の継続に関する意見の相違が見られるようになってきた。 さらに一部メンバーは緩和策の早期解除を視野に入れるべきとの発言を積極的に行っている。

 FRBが出口戦略を開始すると、米ドルが買われ円安がさらに進行する可能性がある。また米国景気が回復することは、日本の輸出企業にとって強力な追い風となる。
 日本ではなぜか米国の景気を批判的に見る人が多いが、日本の輸出産業が利益を上げることができるのは、米国市場が存在しているからにほかならない(中国は最終消費地としてはまだ不十分)。アベノミクスによる日本復活がうまくいくのかどうかは、最終的には米国経済の動向にかかっているのだ。

 失業率という最大のアキレス腱が解消されつつある米国市場は、長期間にわたる景気上昇の可能性が見え始めている。これまで新興国に集中していたマネーの動きも、米国を中心とする先進国に逆流する可能性が見え始めている。

 - 経済

  関連記事

samsungjp
韓国企業や中国企業への人材流出が加速。だがこれを懸念しても何の解決にもならない

 韓国企業や中国企業に日本人が転職するケースが増えてきており、一部から技術流出な …

dellmicrosoft
デルに出資?タブレット台頭を前に、マイクロソフトは重大な岐路に立たされている

 米マイクロソフトが大手パソコン・メーカーの米デルに10億~30億ドル(約900 …

glp
J-REITが日経平均をはるかに上回るパフォーマンス。背景にあるのはインフレ期待?

 不動産投資信託(J-REIT)が好調だ。年初850円前後だった東証REIT指数 …

euhonbu00
EUで銀行同盟成立に向けた第一歩がスタート。薄れていく加盟国の国家主権

 EU(欧州連合)は2013年12月20日、ユーロ圏内で銀行の破綻処理を一元化す …

no image
中国政府が日本国債を売却してきたら、市場はどうなるか?

 尖閣諸島問題で日中関係が険悪化する中、中国政府が保有する日本国債に注目が集まっ …

pepper
ソフトバンクがロボットを他社に先んじて製品化した本当の狙い

 ソフトバンクモバイルは2014年6月、人と対話することができるロボット「Pep …

tokyofukei001
日本人はもっとも市場メカニズムを信用していないが、富の再配分にも否定的

 日本人は先進国の中でもっとも市場メカニズムを信頼していないことが、米調査機関に …

satsutaba
スイス・ショックで投資家の脳裏に浮かんだのはプラザ合意

 スイス中銀が為替無制限介入政策を突如撤廃したことによって、市場に嫌なムードが広 …

toyota02
トヨタの絶好調決算から学ぶ、円安がもたらすメリットとデメリット

 トヨタ自動車は2014年11月5日、2014年9月中間決算を発表し、2015年 …

amazonhaiso
米アマゾンが個人に配送を依頼するアプリを開発中。数年後、社会は激変する?

 米アマゾンが、商品の配送について、運送会社ではなく一般の個人を活用する方式を検 …