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景気は回復しないのに電力など生活必需品は次々値上げ。これではスタグフレーションだ

 

 アベノミクスによる株高で日本経済は楽観ムードに包まれているが、一方で経済成長なきインフレ(スタグフレーション)の足音も不気味に近付いてきている。

 農林水産省は27日、民間企業に売り渡す輸入小麦の価格を4月から平均9.7%引き上げると発表した。理由は円安で輸入価格が上がっているため。農水省は昨年10月にも3%値上げしたばかりだ。
 すぐに製品価格に反映されるわけではないが、今回の原料値上げによる小麦粉製品への影響は、パン1斤0.9円、外食うどん店では1杯0.9円程度になるという。

 また全国の電力会社やガス会社も原燃料費調整制度(燃調)に基づいて4月から相次いで電気・ガス料金を値上げする。円安進行で原油や液化天然ガス(LNG)など燃料価格が上昇していることを値上げの理由としている。値上げ幅は標準家庭で24円~131円になる。
 東京電力は昨年から原発停止による値上げも実施しており、すでに10%近くの値上げが行われている。近く関西電力や九州電力など各社も同様の値上げを実施する。

 通常、通貨安になって原材料価格が上昇しても、企業は簡単に最終製品に価格を転嫁することはできない。そこには競争原理が働くからだ。だが小麦価格は政府の統制下にあり、電力やガスは民間だが競争のない独占企業だ。
 特に電力会社はもっとも最終消費者に近い立場であり、本来であれば値上げに対して相当な抵抗がある業種だ。当り前のように値上げと言っているが、まともな競争原理が働く世界では10%の値上げなどそうそう簡単に口に出せるものではない。

 電力や食糧といった生活必需品の値上げばかりが先行すれば、家計を圧迫するのは明白であり、GDPの6割を占める個人消費を縮小させてしまう。結果として企業収益が改善せず、賃金が据え置かれ、ますます消費が減退するという悪循環だ。

 安倍政権は一方で物価目標による消費の拡大をうたい、一方ではその足を引っ張っている。このままではただ物価だけが上昇する「官製」のスタグフレーションにもなりかねない。特定の既得権益者にだけ利益を配分する不公平な仕組みを排除しない限り、どんな金融政策を用いたところで、健全な経済を実現することはできないのだ。

 - 政治, 経済

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