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朴槿恵政権の閣僚人事が難航。背景のひとつは徴兵逃れ疑惑

 

 韓国の朴槿恵(パククネ)新政権の組閣が難航している。韓国の国会は26日、元検事の鄭ホン原(チョンホンウォン)氏の首相任命同意案をようやく可決した。当初、首相候補には、弱者配慮のシンボルとして元憲法裁判所長の金容俊(キムヨンジュン)氏を予定していた。だが金氏に土地の不正購入疑惑が発覚したことから辞退に追い込まれてしまった。その後鄭氏を指名したものの、25日の大統領就任式には間に合わず、翌26日に任命状を手渡した。
 だが、鄭氏以外の17人の閣僚内定者の国会同意は進んでおらず、来月以降にずれ込む見通しだ。

 閣僚内定者の聴聞で問題になっているのが、本人もしくは子息に兵役免除の事例が多いことである。
 今回の閣僚候補者18人のうち、女性2人と二重国籍者のキム・ジョンフン氏を除く15人に兵役義務あった。だがこのうち3人が兵役を免除されており、首相の鄭氏については息子が兵役を免除されている。
 兵役を免除されたものが、国家を運営する立場に就くことへの国民の批判は根強く、今後の国会同意にも大きな影響を与えそうな状況となっている。

 韓国の国民が兵役免除者に対して厳しい視線を向けているのは、有力者がコネや権力を使って不正に兵役を免除されるケースが後を絶たないからである。韓国は日本と同様、ホンネとタテマエの乖離が激しく、このような不公平が横行しやすい。

 かつて米国も徴兵制があったが、多くの政治家が従軍経験を売りにしていることを考えると、韓国とはすいぶん状況が異なっている。同じコネと権力を使った不正でも、ケネディ元大統領のように軍功を水増しするという方向に向かっている。兵役拒否などをしてしまうと、そもそもリーダーとして認められないからである。

 だが韓国や日本では、リーダーとしての資質よりも、家柄や学歴などによって人物が評価される傾向が強い。日本も戦前、徴兵制があった時代には、コネによる兵役免除が横行していた。
 現在、日本では、憲法改正と再軍備に関する議論が高まってきている。もちろん、憲法が改正されたからといってすぐに徴兵制が施行されるというわけではない。
 だが、志願制であったとしても、日本では国会議員になる人が率先して軍に入り、そのキャリアを国民にアピールするようなカルチャーになるのだろうか?それとも、徴兵制が施行された際には、コネと地位を使って家族の従軍を避ける方向に権力者のエネルギーは向くのだろうか?

 韓国と日本のカルチャーが近いことや、戦前の歴史を考えると、やはり後者になる可能性が高いのかもしれない。

 - 政治

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