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長野県が長寿1位の本当の理由は何か?大胆な仮説を立ててみると?

 

 厚生労働省は2月28日、都道府県ごとの長寿ランキングである「都道府県別生命表」(2010年)を公表した。男性のトップは長野県で80.88歳で5 回連続の1位、女性でも同県が87.18歳で1位になり、長野の長寿が際立つ結果となった。
 最下位は、男性女性ともに青森で、男性が77.28歳、女性が85.34歳であった。これまで長寿として知られてきた沖縄県は、男性が30位、女性はまだ奮闘しているものの3位と後退した。

 実は長野は1位になっていないだけで、男性は昭和50年代から上位にランクインしている。総合的に見ると沖縄よりも長野の方が長寿県であったといえる。だがなぜ長野が長寿なのかについては、実はよく分かっていない。

 長野は食生活改善運動を進めていてその成果が上がっているから、と説明されることも多いが、その運動がスタートしたのは昭和58年なので、当時からランキングが上位であることを考えると、ちょっと説明がつきにくい。

 長野に特徴的なことは、医療費が少ないという点だ。長野は16年間連続して一人当りの医療費は全国で最小であった。入院件数や入院日数も非常に少ない。同様に、医師数や病床数もみな最下位近くの水準だ。つまりもともと病院が少なく、山岳地帯という地理的要因もあり、めったなことでは病院に行かないということが推察される。

 また長野は、離婚率が低く、高齢者の一人暮らしが少ないという特長もある。訪問看護件数が全国一であることもそれを裏付けている。また長野は、高齢者の就業率や共働きの比率も高いことでも有名だ。一般に就業率が高いと死亡率が高くなる傾向があるが、長野は女性の長寿ランキングは思いのほか低く、女性も男性と同じように労働している状況がうかがえる。

 以上を総合すると、共働きをする、一生働き続ける、病院に行かない、離婚しない、という4つのキーワードが浮かんでくる。元気に働く、離婚しないというのは長寿の秘訣としてイメージしやすいが、病院に行かないことが、長寿につながるのは少し妙な話である。
 病院に行くと、なぜ寿命が縮んでしまうのだろうか?もしかするとそれは、死亡原因ではダントツ1位のガンに関する治療と関係しているかもしれない。

 現在、ガンの治療は手術と抗がん剤によるものが主流となっているが、このうち、手術が不可能な患者や手術後の患者の多くに抗がん剤が投与されている。
 抗がん剤については、これまで全員に同じ基準で薬物を投与する標準治療と呼ばれる手法が用いられてきた。だが最近になって臨床医の中から、一律の投与を行う標準治療はかえって延命の妨げになっているのではないか?との声が上がっており、一部の病院では投与量を柔軟に変化させる措置なども実験的に行われている。

 あくまで仮説だが、病院になかなか行かないという長野の生活様式が、抗がん剤の一律投与の悪影響を低減させている可能性がある。長野のガンでの死亡率は全国でもかなり低い。

 ガンの治療法はともかく、男女ともに死ぬまで働き、夫婦仲良く暮らすことは、長寿の大きな秘訣になっていることだけは間違いないだろう。

 - 社会

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