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スイスで経営者の高額報酬を制限する国民投票を実施。立役者の主張とは?

 

 企業幹部が受け取る高額報酬の制限をめぐってスイスで国民投票が実施される見込みとなった。

 国民投票を提案したのは、スイスの市議会議員で歯磨き粉事業を手掛けるトリボル社会長のトーマス・ミンダー氏(写真)。
  国民投票の請願書では「高額報酬」を受け取る企業幹部には金融危機を引き起こした責任があると主張し、10万人以上の署名を獲得した。提案が認められれば、企業幹部の報酬に関して毎年株主投票が行われ、多額の報酬支払いが制限される。

 スイスは金融立国で税金が安く、銀行の守秘義務も徹底している。このため、節税を目的にグローバル企業が本社を置くケースが多く、それがスイスの経済を支えてきた。だが最近では税制をめぐって米国などから圧力を受けるケースが増えてきているほか、今回の国民投票のように、国民からも反発の声が大きくなってきている。

 もしスイスで国民投票が成立すれば、多くの企業が国外に本社を移す可能性がある。そもそもスイスに本社を置く理由が税金面のメリットだからだ。
 ブルームバーグ社によると、欧州の高額報酬者上位20のうち少なくとも5人がスイス企業で勤務しており、ほとんどが外国人である。ちなみに製薬大手ロシュのCEOはオーストラリア人、重電大手ABBのCEOは米国人、食品大手ネスレのCEOはベルギー人だ。

 ミンダー氏の主張はフランスやスペインなどでよく見られる単純な反グローバリズム主義にも見える。だが必ずしもそうとはいえない一面もある。ミンダー氏は経営者の報酬は取締役会で決めるべきではなく、本来の決定権者である株主が決めるべきだと主張している。
 グローバル企業はあまりにも巨大になりすぎ、株主の主張が通らなくなっているという実態がある。ミンダー氏の主張は、近年失われてしまった株主による会社の運営という基本的な姿を模索しようという思想でもあるのだ。

 投票日は3月3日で、一部の世論調査では有権者の大半が賛成票を投じる可能性も示唆されているという。

 - 社会, 経済

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