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市場の期待インフレ率が急上昇だが金利は急降下。これは何を意味しているか?

 

 市場の期待インフレ率が上昇している。昨年は0.7%程度で推移していたが、1月に日銀が2%の物価目標を打ち出して以降、1%超えが続いている。アベノミクスによる効果が市場にも反映されてきた可能性がある。

 期待インフレ率は、物価連動債と普通国債の利回りの差のこと。これを見れば市場がどの程度、インフレを期待しているのかが分かる。アベノミクスがスタートして以降、この数値が上昇していることから、安倍政権のインフレ政策が効果を発揮していると解釈できるというわけだ。

 だが素直に喜べるかという必ずしもそうではない。この期待インフレ率は物価連動債と普通国債の利回り差を示したものに過ぎず、あくまで相対値だからだ。
 安倍政権成立後、 日本の長期金利は一時0.7%から0.84%近くまで急上昇した。だがその後、国債は逆に買い進まれ、その後0.65%まで低下し、市場最低水準を更新してしまった。つまり名目金利は低下が続いているが、その中でインフレ期待だけが進んでいることになる。

 長期金利は最終的には、その国の潜在成長率を表わしている。素直に解釈すれば、日本は経済成長しないが、物価だけは上がると市場は見ていることになる。
 このことは期待インフレ率の過去の推移を見ても分かる。期待インフレ率は、日本のデフレ経済を反映して長期間マイナスが続いていたが、それが0.7%程度の水準まで急上昇するきっかけになったのは、消費税導入を政府が決定したことであった。この間、長期金利は一貫して下落を続けている。

 つまり期待インフレ率の数値は、これまでのところ、日本の経済停滞と物価の上昇を予想してきたことになる。この状態をわかりやすい用語でいえばスタグフレーションだ。
 もちろん、物価連動債の最近の動きは、将来の名目金利上昇の動きを先取りしていると解釈することもできる。本当にそうなのかを見極めるためには、もうしばらく時間がかかるだろう。政策的には潜在成長率の上昇が何より重要である。アベノミクスがうまく機能するのかどうかは、最終的には長戦略にかかっているのだ。

 - 経済

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