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著名投資家バフェット氏の書簡から読み解く、彼の自信とその限界

 

 米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が2012年12月期の最終決算について、毎年恒例となっている株主への年次書簡で総括した。

 バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイ社の営業収益は約1620億ドル(約15兆円)、当期利益は約150億ドル(約1兆4000億円)、包括最終利益は約240億ドル(約2兆3000億円)だった。当期利益は2011年度から1.5倍に、包括最終利益は3倍近くに増加している。
 同社の時価総額は1年間で14.4%増加したが、同氏がベンチマークとしているS&P500指数の16.0%には及ばず、「標準以下の成績」と評した。

 成績が振るわなかった原因としてバフェット氏は「少数の象を追ってはみたものの、収穫はなかった」とし、大型買収をまとめられなかった点を挙げた。
 同社は2013年3月に、投資ファンドである3Gキャピタルと共同で、米食品大手HJハインツを買収すると発表したばかり(買収総額は約230億ドル)だが、豊富な余剰資金(470億ドル)を背景に、本来はもっと積極的な買収を実施する方針であった。

 バフェット氏は書簡において投資家として率直な見解を示すことで有名である。今年の書簡は、今後も大型買収を追及すれば高いパフォーマンスを維持することが可能というバフェット氏の自信を示したものといえる。一方、俯瞰的に見れば、同社が巨大化したことで、もはや会社を丸ごと買収する以外に、同社の時価総額を大きく上昇させる手段がないことも意味している。当面は大型買収という戦略が維持できるかもしれないが、多くの投資家はバフェットのその次に注目し始めている。

 バフェット氏は「私はサファリ服を身に付け、再び象探しを開始している」と述べ、今年はより積極的に大型買収を狙っていく意向であることを明らかにして書簡を締めくくっている。

 ところで、バフェット氏の「象狩り」という言葉に少し驚いた人もいるかもしれない。オマハの賢人と呼ばれインテリで知識人としてのイメージの強いバフェット氏だが、やはり長年相場を張ってきた勝負師である。マインドは徹底的に肉食系であり、ハンティングの対象はアフリカ象ということらしい。ちなみにバフェット氏の大好物は、ステーキにチェリーコークとコテコテの西部人だ。やはり投資は肉食系でなければダメなようだ。

 - 経済

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