中国の新駐米大使は駐日大使経験者。中国はいよいよ日米の分断作戦開始との噂
中国政府は3月3日、前駐日大使の崔天凱外務次官を駐米大使に起用する人事を決めた。駐日大使経験者が駐米大使に就任するのは極めて異例で、その真意をめぐって様々な憶測が飛び交っている。
崔氏は2007年から2009年まで駐日大使を務めた経験がある。崔氏の専門は日本語ではなく英語。国連代表部の勤務経験もあり、駐日大使の人事の方がむしろ異例であった。
最近では、日本に関する知識を駆使して、米国政界に対し、尖閣諸島は中国の領土であるとするロビー活動を積極的に行っているといわれる。崔氏の駐米大使起用は、日本と米国の分断工作が念頭にあるとの見方が有力だ。
中国政府は同時に、外交部(外務省)次期外交部長(外務大臣)として、駐日大使経験のある王毅氏を内定している(本誌記事「中国外相に温家宝氏に近い王毅氏が内定」参照)。外務大臣と駐米大使という、中国政府の外交を担う要職に、揃って駐日大使の経験者が就任することになる。
ちなみに王氏は温家宝首相に近く胡錦濤グループに属している。一方崔氏のバックには江沢民氏がいることから、習近平グループに近い存在だ。当初、習近平グループは外務大臣に現外務次官の張志軍氏を推していたが、王氏に譲ることになった。
習近平グループの方が対日強硬派が多いといわれており、崔駐米大使は彼らの意向を受けて米国で活動する可能性が高く、日本にとっては難題といえる。
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