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黒田日銀総裁候補が衆院で所信。滑り出しとしては満点に近いか?

 

 日銀総裁候補の黒田東彦アジア開発銀行総裁は3月4日、衆院議院運営委員会での所信聴取に臨んだ。具体的な金融政策の手段としては、白川総裁時代と大差はないが、大胆な金融緩和を行うイメージを市場に発信することに成功した。

 注目の物価目標について「物価安定は日銀の使命である」と強調し、基本的に中央銀行に責任があることを明確にした。また2%という数字はグローバルスタンダードであるとし、2年をメドに実現すると具体的な期限に言及した。
 2%の物価目標という点では、従来と何も変わらないが、日銀の責任を強調することと、時期を明示したことで、市場に与える印象は180度違ったものになった。

 日銀による資産買い入れについて黒田候補は、これまで3年未満としてきた年限を5年以上に拡大することや、社債、ETFなどリスク資産をより積極的に購入する姿勢を明らかにしている。また緩和策の副作用については、メリットの方が大きいとの見解を示している。

 買い入れ資産の年限以外は、これまで日銀が実施してきた施策とほとんど変わっていない。だが、白川総裁は見るからに緩和策に消極的で、物価目標の導入やリスク資産の購入について、外圧で嫌々やらされているという雰囲気が漂っていた。黒田候補は同じ内容を積極的に説明しているので、市場に対しては明確なメッセージとして伝わったようだ。滑り出しとしては100点満点に近いかもしれない。

 もちろん、現実はそう甘くはない。当面は黒田氏の積極的なイメージが市場の期待を醸成し、シナリオ通りに進む可能性が高い。だがいつかは、現実が期待に追い付く日がやってくる。一部の市場関係者は、すでに黒田総裁の次の一手に関心を移しつつある。

 - 政治, 経済

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