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10年後には国債1000兆円との財務省試算。だが前提条件が甘く、現実はもっと厳しい

 

 財務省は3月6日、国債の残高が10年後の2022年度末に1000兆円を超えるという試算を発表した。高齢化に伴う社会保障費の増大と金利上昇による利払い費の増加が主な要因。消費税率を引き上げたとしても、財政再建が厳しいことを示している。

 現在の国債残高は732兆円だが、22年度末には1014兆円に膨らむ見込み。一般会計における国債費は現在22.2兆円だが、16年度には28.7兆円に増加する。消費税が増税されたとしても、国債に依存する基本構造は変化しない。
 財政が好転しない理由は簡単で、高齢化に伴い社会保障費が増大していることと、借金による利払いが減らないことである。

 社会保障費は一般会計予算の約3割を占めており、それだけでもかなりの割合とえいる。
 だが一般会計には国債の償還や利払いに充てる国債費が含まれており、こちらは全体の2割に達する。現実に使える予算に対する割合で考えると、社会保障費は全体の4割を超え、さらに地方自治体への補助を合わせると、実に6割のお金が消えていく計算になる。

 防衛費や公共事業、科学技術振興などの予算は残りの4割から支出しており、社会保障費(年金と医療)と地方への補助がいかに大きいかが分かる。
 官庁における予算のムダ使いを擁護する気はさらさらないが、これだけ借金の山になっている根本原因は、年金と医療、地方への補助というのが現実なのだ。

 財務省がこの手の試算を公表する際には、消費税をはじめとする各種増税を国民に納得させるという目的があるため、本来は注意が必要だ。だが今回の試算は、むしろ前提条件が甘く、実態はもっと厳しいと見た方がよいという結果になっている。

 試算の前提となっているGPDの成長率は3%、長期金利は1.8%から2.5%に上昇するとしている。アベノミクスの成果にもよるが、3%成長を持続させることは現在の経済状況からするとかなり難しいと考えられる。長期金利についても、国債の消化状況が悪ければさらに上昇するリスクもある。

 今後、大増税を繰り返して財源を確保するのか、破たんするまで借金を積み上げるのか、年金をカットするのか、極論を言えば、日本にはこの3つしか選択肢はない。
 国民がハラを据えて選択すべき時は、刻々と近づいている。

 - 政治, 経済

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