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産業競争力会議がテーマ別会合をスタート。雇用流動化や企業再編は実現できるのか?

 

 政府の産業競争力会議3月6日、テーマ別会合の議論をスタートした。この日は「人材力強化・雇用制度改革」と「産業の新陳代謝の促進」という2つのテーマを議論した。

 「人材力強化・雇用制度改革」を担当する民間議員は主査が長谷川議員(武田薬品社長)、副主査が新浪議員(ローソン社長)。「産業の新陳代謝の促進」を担当するのは、主査が坂根議員(小松会長)、主査が新浪議員。

 「人材力強化・雇用制度改革」の会合では、民間議員から、成長産業に人材が円滑に移動できるよう、解雇ルールを法律で明文化することや、雇用調整金制度を見直すことなどについて提言があった。
 これに対して田村厚生労働相は日本は解雇が容易な米国と雇用形態が異なるなどとして慎重な姿勢を示したという。
 また民間議員からは、ハローワークの民間開放を進めることや社外取締役の拡大、保育所の待機児童対策の強化などの提案もあった。

  「産業の新陳代謝の促進」の会合では、冒頭で甘利明経済再生担当相が「同一業界のプレーヤーが多すぎる」「低い資本効率による経営が温存されている」といった現状の問題点が指摘された。民間議員からは、業績が悪化した企業を安易に存続させないため、「公的支援に関するルールを整備できないか」との指摘や産業再編を促す仕組みが必要との声があり、政府側も必要性を認めたという。

 これらの議論は、日本経済の現状を考えると、ある意味では当たり前の内容といえる。だが同様の議論はかなり前からあったにも関わらず導入が見送られてきた。日本では、農業や公共事業と並んで、既存大企業の正社員というのは、一大政治利権となっているからだ。

 産業競争力会議が、改革を要求する意見にも耳を傾けたというアリバイ作りに利用されるのか、実際に政策として採用されるのかは、現時点ではわからない。ただ、小泉内閣における構造改革路線を事実上ストップさせたのは、ほかでもない安倍首相であることを考えると、やはり、今回の産業競争力会議も前者に終わる可能性が高いのかもしれない。

 - 政治, 経済

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