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日本に来る外国人観光客の数が諸外国と比べて異常に少ないのはなぜ?

 

 世界経済フォーラムは3月7日、2013年の旅行・観光競争力ランキングを発表した。日本は14位と前回の22位から順位を上げた。国内輸送インフラや通信インフラはともに7位とハード面では上位となっているが、観光との親和性などソフト面は77位とかなり低い結果となっている。

 同ランキングは、世界140カ国・地域を対象としており、交通インフラ、観光資源の豊富さ、観光産業従事者の能力、価格など14項目を総合的に評価したもの。ベインアンドカンパニー・デロイトなど米国系コンサルティング会社の調査結果をもとに欧米の航空会社、ホテル会社などの協力で策定された。

 世界1位は前回に続きスイスで、ドイツ、オーストリア、スペイン、英国、米国、フランスと米国以外は欧州勢が続いている。東洋ではシンガポールが10位に入っている。
 日本は前回より順位を上げているので、それ自体は評価すべきことなのだが、来日する外国人観光客の数という絶対数を見てみると、あまりにの少なさに唖然とする。グローバルで見るとあまりにもみすぼらしい日本の観光業の実態が浮かび上がる。

 日本の外国からの観光収入は年間わずか9000億円程度。これに対して、フランスは約5兆円、英国は3兆円、ドイツは3.7兆円、米国に至っては11兆円とケタが違う。それもそのはず、 日本には年間600万人しか外国人観光客が来ないが、英国には3000万人、米国や中国は6000万人、フランスにいたっては8000万人もの観光客が訪れるのだ。
 世界の主要国(米国、英国、フランス、ドイツ、日本、中国)はすべて1000万人規模の巨大都市を擁しており、長い歴史と文化を持っている。これらはほとんどが観光大国なのだが、ただ一つの例外が日本なのである。世界屈指の経済力と歴史、文化を持った国で、数百万人しか観光客が訪れないというのは、異常な状況なのである。

 今回のようなランキング結果がすべてを表わしているというのは危険だが、 ソフト面でのランキングが77位というのはすべてを物語っているといってよいのではないか?
 日本の旅館は、社員旅行など安易に稼げる手段に依存し、企業努力を怠ってきた。風呂が汚れるなどといって、外国人の宿泊を嫌がるケースもいまだに存在しているという。また決まった時間に決まったメニューでしか食事を提供しないなど、そもそものサービスがなっていないところも多い。要するにまともにビジネスをしようという意識がないのだ。

 政府は観光立国を目指すとして、訪日外国人数を1000万人に増やす目標を掲げている。外国人観光客の増加というと、すぐに英語標識を増やすといったハード面の話になりがちなのだが、根本的にサービス業としての競争力が欠如していては何の意味もない。

 先日の出来事だ。台湾の屋台でアメリカ人の観光客が食べ物を買おうとしていた。店員は英語をしゃべれないが、中国語でまくしたて、どれにするか?と身振りでコミュニケーションを取っていた。先日、日本のある蕎麦屋で外国人観光客が、つたない日本語で「ソバ?ウドン?」と店員に聞いていた。蕎麦とうどんの違いを知りたかったのだろう。日本人の店員は困惑した顔をして、ただ突っ立っていた。国際化や観光との親和性とは、語学の問題ではないということがよく分かる一幕であった。

 - 社会, 経済

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