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韓国で学生の「出自」を問う履歴書が問題視。日本と同様の社会構造が浮き彫りに

 

 就職活動の履歴書に、両親の学歴、財産、本籍などを記載させるという、人権を無視するかのような慣行が韓国ではいまだにまかり通っているという。

 中央日報の記事によると、韓国の就職活動では、履歴書に過度な個人情報を要求する古い慣行がなくならないという。両親の学歴はまだ序の口で、実家は持家か借家か?婚外子ではないのか?といった人権問題にもなりそうな項目も並んでいる。
 今の日本人には眉をひそめる内容かもしれないが、日本でも、つい20年くらい前までは同様の慣行があったことを忘れてはならないだろう。

 大手企業の多くが、学生には内密で興信所を雇い、本籍や親の生活状況をチェックしていた。また親の宗教や政治活動についてチェックするのも公然の秘密であった。女子学生の場合には、周辺に男性関係の評判を聞いて回るというようなこともあったのだ。

 日本や韓国でこういった「出自」に関する選抜基準があるのは、欧米社会に比べて日本や韓国が単純に遅れているからというだけの理由ではない。深層心理として、リーダーやエリートを競争で選抜することに対する拒否感がある。日本や韓国で政治家の世襲が批判されながら決して世襲がなくならないことと、根源的には同じ理由である。実際、韓国の新大統領も、日本の首相も世襲政治家であることを見ればそれは明らかだ。

 発展途上国の段階では、こうした文化的背景は経済成長にあまり大きな影響を及ぼさない。日本も韓国も中国も驚異的な発展を遂げてきた。だが成熟国家の段階に入ると、社会における古い慣習や権威主義的な風潮は経済成長のマイナス要因になってくることが知られている。
 日本や韓国よりも個人主義や民主主義が進んでいる欧州においても、よりオープンでフラットな社会である北欧諸国やドイツなどの方が、古い慣習の残るカトリック圏(フランス、イタリア、スペインなど)よりも成長率が高いという現象が見られる。

 日本はすでに成熟段階に突入しているが、思うような成長を実現できていない。目先の課題としては、企業の競争力を回復したり、適切な金融政策を実施することが重要なのは明らかである。だが、より潜在的、長期的な課題としては、古い農村共同体的な慣習を排除する努力をしていかないと、今後の成長を望むことは難しいのだ(これが最悪の形で具現化したのがギリシャでありスペインである)。
 好調な成長が続く韓国は、ある意味でまだ途上国といえる。だが韓国も近い将来、先進国となることは確実であり、この問題に直面するはずだ。

 - 社会

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