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消費税還元セールは禁止!政府与党の本当の狙いは何か?

 

 政府・自民党は、消費税の増税にあたって小売店が「消費税還元セール」を行うことを禁止することを決定した。増税分の価格転嫁を円滑に進めるための特別措置法案を今の通常国会近く提出する。

 消費税が増税されると、消費者の負担が増加するため小売店では売り上げの減少が予想される。このため小売店では「消費税還元セール」といったキャンペーンを打ち、事実上の値引きを行う可能性が高い。
 だが値引きで利益が減少した分を補うため、商品を納める納入企業に対して小売店側が値下げを強要するといった事態が発生する可能性がある。今回の決定は、こうしたキャンペーンそのものを禁止し、納入企業だけに消費税負担が転嫁されることを防ぐというもの。

 だが小売店による値引きの強要が問題だからといって、ビジネス活動そのものを規制するというやり方は常軌を逸している。表向きは弱い立場に苦しむ中小企業を救済するということになっているが、本当の狙いにはそこではない。
 この還元セール禁止の本質は、今では日本における最大の既得権益者となっている大手メーカーを救済するためのものである。

 消費税増税に際しては、商品の納入企業が増税分の価格転嫁を拒否されていないかどうかを公正取引委員会が調査することになる。政府与党は、中小のメーカーだけでなく、大手メーカーであっても納入業者なので弱い立場にあると判断する方針だ。つまり大手スーパーなどに商品を納入するメーカーは弱者として保護されることになる。大手スーパーなどがメーカーに対して値引きを要求すれば摘発するぞ、と脅しているわけだ。

 日本には江戸時代に士農工商という身分制度があった。恐ろしいことにその身分制度は現在でも生きている。工(メーカー)の方が顧客である商(スーパーなど小売店)よりもエラいのである。かつては農業が日本では最大の保護産業であり政治利権でもあった。だが最近では弱くなった大手メーカーを保護するために、莫大な税金が投入されている(エコポイント、エコカー減税、ルネサス救済など)。

 資本主義はの原理原則は、自由な経済活動を保障することである。公正取引委員会のような存在は、競争を阻害する不公正が事態があった時にだけその権限を行使するのが本来の役割といえる。消費税の増税に伴う不当な値引き要求があった場合には公正取引委員会は躊躇せず摘発すればよい。だが不公正取引が起こる前から、ビジネス活動そのものを規制し、特定の産業を保護するというやり方は、本末転倒も甚だしい。
 こうやって日本はどんどん貧しい国に転落していくのだ。

 - 政治, 経済

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