ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

黒田日銀総裁が正式決定。これまで白川路線に賛同していた政策委員は意見を変える?

 

 参議院は3月15日午前の本会議で、日銀の正副総裁人事を可決した。総裁には黒田東彦アジア開発銀行総裁が、副総裁には岩田規久男学習院大教授と中曽宏日銀理事が、それぞれ就任する。衆議院ではすでに同意されており、20日に黒田新体制が正式発足する。

 黒田氏は国会における所信聴取などにおいて、すでに積極的な緩和策を進めることを明らかにしている。2%の物価目標を明確に日銀の責任と位置付け、無期限の資産購入の前倒し、リスク資産の買い入れなどを進めたい意向だ。
 また、これまで日銀批判の急先鋒であった岩田氏も、緩和策の拡大に関する自説を意気軒高に展開しており、次回の決定会合の雰囲気はこれまでとは一変する可能性が高い。

 ここで一気に注目が高まっているのが、残り6名の日銀政策委員メンバーの発言である。これまで日銀プロバーである白川総裁のもと、予定調和的な会合に終始し、従来の日銀のスタンスに異議を唱えた委員は少なかった。
 だが黒田総裁と岩田副総裁が次回の決定会合でより積極的な緩和策を提唱し、それに委員が賛成すれば、これまでの自説を否定することになってしまう。発言に変化が見られるのか、自説を通すのかに市場関係者は注目している。

 経済学者の宮尾委員や三井住友出身の石田委員の両名はしばしば積極的な緩和論を展開したが否決されてきた。おそらく両名は黒田路線を明確に支持する可能性が高い。かつてIMFのエコノミストだった白井委員はこれまで目立った主張がないものの、緩和路線には積極的といわれており、やはり黒田路線の支持に回る可能性が高い。

 注目なのは、東電出身で一部からはなぜ審議委員なのか?という疑問の声もある森本委員、モルガン・スタンレー証券出身の佐藤委員、野村證券出身の木内委員の3名である。

 森本委員はこれまで常に多数派の意見に寄り添ってきたため、結果的に緩和消極論者になっている。だが、目立った発言もないことから、今後は何事もなかったかのように黒田路線を支持することになるのかもしれない。
 森本委員と佐藤委員は、就任前まではマスメディアにおいて積極的な緩和策を主張していたことで有名。だが就任した途端に消極論者に転じ、両名は2%の物価目標の導入にも反対した。政策委員への就任でスタンスを180度変えてしまったという印象があり、一部からは「早速、日銀に取り込まれた」「緩和論者も迎えれているという日銀のアリバイ作りに利用された」(株式ストラテジスト)と厳しい声も出ていた。

 もしこれら緩和消極派?の委員が緩和策に反対する自説を堅持し、政策委員会が紛糾するようであれば、彼らの信念はホンモノといえる。
 だが長いモノには巻かれろで、突然路線変更して黒田総裁に黙々と従うようでは、しょせんポストが目当てだったと評価されても仕方がないだろう。彼らにとっては次回の決定会合は正念場といえる。

 - 政治, 経済

  関連記事

tosho002
日経平均2万円超え。その理由は?今後も株高は継続するのか?

 日経平均株価がとうとう2万円の大台を超えた。2015年4月10日の東京株式市場 …

young
EUの失業率が過去最悪で若年層対策に1兆円投入。日本での関心は低いまま

 EU(欧州連合)首脳会議は6月27日、若年層の失業対策に2年で総額80億ユーロ …

abe
安倍総裁が国債の日銀引き受けに言及。市場は完全に「円安」を織り込み始めた

 自民党の安倍晋三総裁が、とうとう日銀による国債直接引き受けに言及した。安倍氏は …

lee obama
オバマ大統領とリー・シェンロン首相との会談で見えてくる、米軍の南シナ海へのシフト

  シンガポールのリー・シェンロン首相は4月2日、米ワシントンのホワイトハウスで …

saikousai
波紋を呼ぶ前内閣法制局長官の発言。やはり日本では三権分立は無理なのか?

 前内閣法制局長官で最高裁判事に任命された山本庸幸氏は21日、記者会見において「 …

bukkajoushou
企業による物価見通しは1.5%の上昇。給料アップが追い付かないのは確実

 日銀は2014年4月2日に発表した企業短期経済観測調査(短観)の中で、企業の物 …

okane003
日本の対外純資産が円安で大幅増大。今後の課題は投資利回りの向上だ

 財務省は5月28日、2012年末の対外資産・負債残高を発表した。それによると日 …

plazuma
パナソニックが上海工場を閉鎖。ようやくプラズマから撤退を決断

 パナソニックが、中国・上海にあるプラズマテレビ組立工場を閉鎖する。すでに生産は …

panasonic
日本型経営は名実共に終了?パナソニックが、とうとう下請けへの支払い条件変更へ

 下請け企業との共存を掲げ、他社よりも有利な支払い条件を提示してきたことで知られ …

setubitousi
1月の機械受注はわずかに減少。1~3月期のGDPにはどう影響する?

 内閣府は2015年3月11日、1月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「 …