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習近平-李克強体制が正規にスタート。だが選挙では前代未聞の反対票も出て大波乱

 

 現在、中国・北京で開催中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)は3月14日、胡錦濤氏に代わる新しい国家主席として習近平共産党総書記を選出した。また15日には、温家宝氏の後任として李克強氏を国務院総理(首相)に選出した。これによって、習近平-李克強体制が正式にスタートすることになる(写真は胡錦濤氏と習近平氏)。

 習近平氏の国家主席就任と李克強氏の首相就任はすでに規定路線であり何の驚きもない。だが、だが一連の選出手続きの中でちょっとした波乱があった。14日に行われた選挙では予想外の反対票が出たのである。

 国家主席に選出された習近平氏は 2956人中、賛成2952人、反対1、棄権3で、1票の反対票があった。また同じ日に国家副主席に選出された李源潮共産党政治局員に対しては、80票もの反対票と37票の棄権票が出た。

 習氏に対する反対票は、冗談半分の噂では対立関係にある胡錦濤元総書記が投じたといわれているが、習近平氏自らが投票した可能性も高いと。かつて毛沢東氏は自分が独裁者でないことを示すため、自身に反対票を投じたという逸話があるからだ。いずれにせよ、1票の反対票は誤差の範囲といえる。
 だが李氏に対する合計117票もの反対、棄権票というのは尋常ではない。全人代はすべての権力闘争が終わった後に開催されるいわばセレモニーである。ここで大量の反対票が出ることは極めて異例の事態なのだ。
 このことは、前国家主席の胡錦濤氏が率いるグループと、江沢民元総書記や習近平氏のグループにおける権力闘争がまだ終結していないことを示している。

 李源潮氏は党の青年組織である共産主義青年団(共青団)出身で、同じく共青団出身の胡錦濤氏の部下の一人といわれる。だが天安門事件の処置に対して批判的であったことから、長老グループから強い反発を受け、党大会では政治局常務委員入りを阻まれた。党の政治局常務委員ではない人物が国家副主席になるケースは極めて珍しい。
 反対票が出ること自体が珍しい中で、李源潮氏対する反対票が想像を超える水準だったことから、全人代の会場では票数が読み上げられると、大きなどよめきが起こったという。

 習近平・江沢民グループと胡錦濤グループは対立しているが、習近平氏は必ずしも長老である江沢民氏に忠実というわけではない。敵対派閥である李源潮氏の国家副主席への就任を習近平氏が体を張って反対しなかったのは、江沢民グループに対する牽制球との見方もある。
 習近平氏の真意は、李源潮氏が今後、どの程度の実権を持つのかを見れば、明らかになるだろう。

 - 政治

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