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外国製の安価な菓子類が徐々に日本市場に進出。これは成熟国家日本の宿命である

 

 長らくガラパゴス状態が続いてきた日本の菓子市場に風穴が開きつつある。100円均一ショップなどを中心に、マレーシア、シンガポール、ポルトガル製の菓子が徐々に存在感を高めている。これまで完全な国内閉鎖市場であった菓子の分野にも、遅ればせながらグローバル化の波が押し寄せている。

 最近、100円ショップなどで目にする外国製の菓子類は、非常にコストパフォーマンスが高い。
 例えばマレーシア産のチョコレート菓子「Max Crunch」はパフ入りのチョコレート菓子。内容量は140グラムもあり、日本の菓子よりも一回り大きい。1グラムあたりの単価が1.5円~2円(定価ベース)のことが多い日本のチョコレート菓子に比べると、1グラムあたりの単価が0.7円と半額以下だ。味は日本の菓子と比べると多少大雑把だが、十分に美味しい。

 日本の菓子メーカーは、国境という障壁に守られ、長く安定したビジネスを続けてきた。
 確かに日本の菓子はきめ細かく味もよいといわれている。だが保守的で複雑な流通網の影響もあり、定価販売が守られ、規模を追及しなくても一定の利益を得ることが可能となっていた(その分日本の消費者は高い商品しか選択肢がなかったともいえる)。
 だがグローバルな基準から見ると、日本の大手菓子メーカーは中小零細企業レベルの存在でしかない。大手メーカーの森永製菓の売り上げは約1400億円なのに対して、菓子類を中心にグローバルに食品を展開するネスレは7兆5000億円、ナビスコなどを傘下に持つクラフトフーズは3兆5000億円の売り上げがある。再編の末、乳製品、菓子、医薬品の総合メーカーとなった明治ホールディングスですら売上は1兆円をこえた程度だ。

 価格競争力の高い地域で生産された安価な菓子類の普及は、消費者にとって選択肢が増えることを意味しており、大きなメリットをもたらすだろう。
 菓子メーカーにとっては、今後はガラパゴス経営が許されなくなることを意味しているが、これは成熟国家の宿命ともいえる。豊かになった国においては、グローバルに展開する高付加価値企業以外は生き残れないのだ。シャープやパナソニックなど大手電気メーカーの経営難は、企業個別の原因はあるものの、日本が途上国から完全な成熟国家になったたことが根本的な原因である。菓子メーカーもその例外ではない。
 これを機に、日本の菓子メーカーも一気にグローバル化を進め、日本の付加価値向上に貢献してもらいたい。

 - 経済

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