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体罰問題の背景には、過保護に育てられケンカをしたことがない教師の存在がある?

 

 全国の学校で体罰の実態が次々と明るみ出ているが、驚くべきことに、生徒がかなりのケガを負っているというケースが少なくない。

 奈良県大和高田市の教育委員会は3月25日、市立中学校の男性教諭が女子生徒の顔を殴る体罰を加え、目の下を骨折するけがを負わせたと発表した。
 教諭は生徒の顔を平手で4回たたいたほか、拳で左目下の頬を殴り、全治1週間のけがを負わせたという。詳しい状況は不明だが、ここまで来るとただキレて暴行しただけにしか思えない。

 滋賀県教育委員会は3月18日、女子生徒14人に体罰を行い、うち2人にケガをさせたとして、県立高校の男性教諭を戒告処分にしたと発表した。
 この教諭は顧問を務める運動部の女子生徒14人に対して、頬や頭を平手でたたくなど計25回の体罰を行った。生徒の1人は前歯の先端の一部を欠損し、もう一人は口の中を切るケガを負っている。

 体罰の是非についてはここでは問わないが、確かに日本には体罰というものが存在し、それが一定の機能を果たしていたことは事実だ。だがかつては、体罰を行うにしても、一定の限度というものがあり、生徒が負傷するまで体罰を行うという事例はあまり聞いたことがなかった。
 今回の事例のように、生徒がケガをするまで体罰を行うというのは、もはや教育を通り越して犯罪(傷害罪)である。
 両事件で体罰を加えた教員はいずれも30代と比較的年齢が若いのだが、この事件だけでなく、最近の体罰事件がここまでエスカレートしている背景には、教師の世代交代が大きく影響している可能性がある。

 古い新聞などを見ると分かるのだが、実は今の30代~40代の人たちというのは、過保護に育てられ子供時代にまともなケンカをしたことがないと、当時の年配者から指摘されていた世代なのだ。
  いつの世にも「最近の若い者は」という世代論があるので、多少割り引いて聞く必要があるが、確かに今の40代は日本がかなり豊かになってから育った世代であり、いわゆるガキ大将が学校から姿を消した後に子供時代を過ごしている。
 子供の頃にケンカをしていないと、加減が分らず大人になってから相手に途方もないケガを負わせるのではないか?と当時の年配者は心配していたのだ。

 最近の教師による体罰はその心配が現実のものになった例といえるのかもしれない。過保護に育てられた甘えっ子がそのまま大人になり、教員になった。生徒が言うことをきかず、かんしゃくを起して暴力を振るったが、限度が分らず相手にケガをさせる。そう考えると辻褄が合う。

 もしこの仮説が本当ならば、体罰も教育のうち、という方法論は成立しなくなる。体罰を行う本人が自分をコントロールできないのである。その場合には、理由の如何を問わず禁止にするしか方法はなくなってしまうのだ。体罰も教育の範囲内という価値観が、ただの甘いノスタルジーにしか過ぎないのであれば、これほど恐ろしいことはない。

 - 社会

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