ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

BRICSが世界銀行やIMFに対抗してBRICS銀行を創設。だがタイミングが今一つ・・・・

 

  BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は3月26日、南アフリカで首脳会議を開催した。この会議においてBRICS各国は、外貨準備とインフラプロジェクト支援を目的とした「BRICS開発銀行」を創設する計画を承認する。

 BRICS開発銀行の創設は昨年から議論が進められていた。BRICS各国が出資し、発展途上国の開発事業に対し資金融資を実施する。また、金融危機などの緊急時に活用できる外貨準備を同銀行を通じて共同で保有する。

 これまで、金融システムの安定化や途上国支援は、欧米の先進国主導で行われてきた。その中心となってきたのが、世界銀行(IBRDなど)や国際通貨基金(IMF)である。
 だが新興国の国際的な立場が高まってきたことに伴い、欧米中心主義への反発から、これらに対抗できる金融システムの構築が模索されてきた。BRICS銀行はそれに対するひとつの答えということになる。

 ただBRICS主導の国際金融システム構築を打ち出すタイミングとしては、実はあまりよい状況ではないというのも事実だ。
 BRICS各国はこれまで目覚ましい成長を遂げてきたが、ここ1~2年は成長率の鈍化が顕著になっているからだ。これまで10%台だった中国は7%台に、インドも成長率は半減している。ブラジルはほぼゼロ成長になってしまった。
 その一方で米国の回復傾向が鮮明になってきており、来年以降はむしろBRICSではなく、先進国の方が経済の機関車役になるとの見方もある。

 またBRICS内部での不協和音もある。500億ドルとも1000億ドルともいわれる拠出金の割り当てや銀行本部を設置する場所、組織の人選などについて、各国の利害が複雑に絡み合う。第二次大戦後、圧倒的な力を持つ米国主導で作られた現在の枠組みに比べると、その調整は困難を極める。

 一時は、米国主導の世界金融システムを瓦解させるかのように喧伝されたBRICSだが、現在では多様化する国際金融システムの一つとして認識するのが妥当であろう。

 - 政治, 経済

  関連記事

bukkajoushou
とうとう物価上昇がストップ。そろそろ構造的な要因に関する議論が必要?

 総務省は2015年3月37日、2015年2月の消費者物価指数を発表した。代表的 …

mof02
木下主計局長が次官に内定。今後の財務省人事を大胆に予想すると?

【本記事は2013年6月13日のものです。財務省の最新の人事情報記事はこちらです …

hasimoto2
橋下氏が慰安婦など一連の発言について釈明会見。だが参院選への影響は必至

 日本維新の会の橋下徹共同代表は5月27日、日本外国特派員協会の記者会見に臨み、 …

shunsetugou
各国が中国の春節にこぞって祝賀メッセージ。まるで冊封時代?

 中国では25日に春節(旧正月)の休みが明けた。春節に際しては、中国との関係を強 …

kourousho
労働者派遣法改正案が廃案。原因は何とコピペ?による法案の作成ミス

 派遣労働者の受け入れ期間の上限を撤廃する労働者派遣法の改正案が2014年6月2 …

kusuri02
混合診療拡大へ。金持ち優遇かどうかという単純論争は本質を見誤らせる可能性あり

 政府は規制改革の一貫として混合診療の拡大に乗り出す。現在、日本では公的保険を適 …

jogmec
メタンハイドレートから天然ガスの採取に成功。だがあえて厳しいことを言えば・・・

 政府は3月12日、愛知・三重県沖の海底にある「メタンハイドレート」から天然ガス …

tosho002
とうとう動き出す日本の企業統治。外国人投資家の見方は変わるか?

 国内で、コーポレートガバナンスに関する整備が急速に進んでいる。きっかけは、アベ …

hosokawakoizumi
細川元首相が都知事選に出馬表明。その後の政局にばかり焦点が当たる奇妙な選挙に

 猪瀬直樹前知事の辞職に伴う東京都知事選において、細川護熙元首相が立候補を表明し …

beijing
中国経済の実態を表す「本物」の経済統計が発表。格差は世界最悪の水準

 中国経済の本当の姿を示す調査結果が市場で話題となっている。四川省の大学が失業率 …