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日中韓FTA交渉がスタート。だが日本に続き韓国もTPP参加に傾いており状況は微妙

 

 日本、中国、韓国の3カ国は3月26日、韓国のソウルで自由貿易協定(FTA)締結に向けた第1回目の交渉を正式にスタートさせた。

 これまで、日中韓FTAは長年にわかって検討されてきたが、なかなか実現には至らなかった。特に最近では日本と中国、韓国の間に領有権問題が発生していることなどから、実務をスタートできる状況にはなっていなかった。

 今回の交渉スタートを主導したのは中国である。中国は米国主導でアジア地域の経済連携が進むことに懸念をいだいており、日中韓FTAでアジア独自の経済圏を確立したい構えだ。日中韓の3カ国は中国が驚異的な発展をしたとはいえ、基本的な経済水準がそれぞれ異なっており、相互補完関係にある。このため、FTAの締結には経済的メリットが大きいことが予想される。

 だが日中韓FTA交渉がスムーズに進むのかは現段階では不透明である。そこにはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)という存在が横たわっているからだ。
 日本はこの3月、正式にTPPへの交渉参加を表明した。表向きは国内世論を二分する大激論をしたことになっているが、実際には米国主導のTPPへの参加はほぼ必須の状況であった。
 この状況は韓国も変わらない。韓国と米国はすでに米韓FTAを締結済みだ。だが日本がTPPへの交渉参加を表明したことで、韓国国内でもTPPへの参加について具体的な検討が始まっている。

 結局のところ、ホンネでアジア主導の経済圏を構築したいと思っているのは中国だけということになり、日中韓FTAもTPPを前に絵に描いた餅になる可能性もある。
  とはいえ、日中間にはまだまだ多くの関税障壁が残っており、交渉を進めるメリットは大きい。現時点では、米国や欧州の動向を見ながら、中国とは現実的な交渉を進めていくことになる可能性が高い。

 - 政治, 経済

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