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ロムニー氏が弱者軽蔑発言。正論なのだが何が問題となっているのか?

 

 「米国民の47%は政府にタカっている」。共和党のロムニー大統領候補の弱者軽蔑とも取れる発言が物議を醸している。

 ことの発端は、リベラル系の「マザー・ジョーンズ」誌が高所得者を対象とする非公開の資金集め集会でロムニー氏の演説を隠し撮りし、映像をネット上に公開したこと。
 近しい人との非公開の集会にロムニー氏の口も緩んでしまったらしい。案の定、オバマ陣営はこの発言を槍玉に挙げて、弱者切捨てと総攻撃している。

 一部には「過激だが正論」という意見もあるようだが、ロムニー陣営にとってかなりマイナスというのがもっぱらの評価だ。
 それはロムニー氏の生い立ちに大きく関係している。
 ロムニー氏は高学歴の超エリートである。確かに自力でチャンスを勝ち取ってきた面はあるのだろうが、彼が入社したコンサルティング会社(ベイン・コンサルティング)はミシガン州知事であったパパのコネ入社である。また数百億という資産を築いたファンド運用も、自力でファンドを立ち上げたのではなく、コンサルティング会社のカンバンで行ったものだ(運用に成功したのは本当だろうが)。

 つまりロムニー氏は、実力はあるのだが、他のアメリカ人よりも圧倒的にチャンスに恵まれていた人物なのである。アメリカ人は結果としての不平等には何の文句も言わないが、機会の不平等は絶対に許さない民族である。
 この発言が、ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏のように100%自分の力だけで富を得た人の口から出た言葉ならまだ説得力がある。だが現実は逆で、バフェット氏は自分の子息にはビタ一文相続させないなど、むしろ機会の平等を強く主張している。

 これとは正反対にすべてが手に入る環境にあったブッシュ前大統領は、政治エリート一家の劣等生として悩み、アル中にまでなったという過去のストーリー(本当かどうかは定かではないが)が共感を呼んだ。大金持ちであるにも関わらず、白人貧困層から絶大な支持を得ている。

 ロムニー氏にはそのどちらもない。ただの裕福で頭のいいエリートという、つまらないキャラクターである。大統領選挙も終盤となっている。ロムニー氏には汚名を返上する時間はあまり残されてはいない。

 - 政治

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