ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

日本の人口減少は新次元に突入。少子化対策はむしろ逆効果なのでは?

 

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は3月27日、2040年までの地域別推計人口を発表した。日本の人口減少は以前から指摘されてきた問題だが、今回の調査によって、日本の人口減少が従来とは異なる新しいフェーズに突入していることが明らかとなった。

  これまでの人口減少は全体としては緩やかなスピードで進み、個別に見ると、過疎の地方は減少、都市部は増加という状況であった。だが今後は、歯車の逆転が顕著になり、減少スピードが増加し、すべての地域で人口が急激に減少してくることになる。

 2040 年の総人口が2010 年よりも多くなる自治体はわずか4.8%しかなく、2010 年よりも人口が少なくなる自治体が全体の95.2%にものぼる。このうち、約半分の自治体は4割も人口が減少するというショッキングな内容だ。人口が4割も減少すれば、自治体としての存続すら怪しくなってくる。

 また地域別の状況も深刻だ。人口減少に伴い高齢化が急速に進行する。高齢者の割合は現在においても将来においても地方が高い状態が続くが、高齢化のスピードはむしろ都市部の方が速い。特に東京のベットタウンである埼玉県と神奈川県においてその傾向は顕著になっており、両地域の2040 年における高齢者人口は2010 年の2倍以上だ。

 人口予測は他の分野に比べて予測が当たる確率が極めて高い。人の行動パターンは急激に変化しないからだ。もし今回の人口予測が正しいと仮定すると、現在行われている少子化対策(子供を増やす政策)を実施することは、逆にリスクにもなりかねない。

 少子化対策は人口減少が予想されはじめた時期(日本では1980年代)に実施すれば大きな効果を発揮する。だが今になってから少子化対策を急激に行うと、人口ピラミッドの形状は、高齢者と子供が多く、中年が少ないという、いびつなものになってしまう。
 現在の若年層が中高年になった時に、高齢者に加えて、子供の世代までも扶養することになり、あまりにも負担が大きすぎる。

 もし現在の低い出生率が続けば、高齢者の割合が増加して苦しくなるが、やがて高齢者は死亡するので、人口ピラミッドはフラットになる。
 確かに総人口が減少するので、GDP成長をどう確保するのかという問題があるが、高齢者に加えて子供まで増加するという極端に重い負担の中で成長を実現するよりははるかに容易だ。

 人口減少への対策=子供を産ませる、という発想は30年前なら意味があったかもしれない。だが現在の日本では、ただ子供を産ませるという政策はもはや通用しない段階まで来てしまったのだ。

 - 政治, 社会, 経済

  関連記事

puting20
原油価格の低迷が促す、地政学的バランスの変化

 原油価格の大幅な下落で、ロシアやベネズエラといった反米的なスタンスだった産油国 …

panasonic
日本型経営は名実共に終了?パナソニックが、とうとう下請けへの支払い条件変更へ

 下請け企業との共存を掲げ、他社よりも有利な支払い条件を提示してきたことで知られ …

joumuinmember
完全保存版!習政権2期目、政治局常務委員メンバー相関図。習氏の3期続投が視野に

 習近平政権2期目の布陣が明らかとなった。後継候補となる若手は登用されず、習氏の …

ichimanen
内閣府が中長期財政試算を発表。前回試算よりも状況が改善している理由

 内閣府は2014年1月20日、経済財政に関する中長期の試算を公表した。国際公約 …

seijouishii
マネーゲームの末、高級スーパー成城石井はローソンへ。相乗効果は未知数

 コンビニ大手のローソンが、首都圏を中心に高級スーパーを展開する成城石井を買収す …

imf201410
IMFが世界経済見通しを発表。欧州が完全失速、日本は大幅引き下げ

 IMF(国際通貨基金)は2014年10月7日、世界経済見通しを発表した。201 …

tmall2014
上場を控えたアリババが4~6月期の決算を公表。取扱高の拡大で業績は好調

 米国で株式の新規公開(IPO)を予定している中国の電子商取引大手アリババは、2 …

ecbdoragi
ECBがとうとう量的緩和策を導入。効果があるのはドイツだけ?

 ECB(欧州中央銀行)は2015年(ECB)は22日、とうとう量的緩和策の導入 …

rubio
米大統領選。共和党の隠れた大本命、マルコ・ルビオ氏とはどんな人?

 米国の大統領選に共和党から立候補を表明したマルコ・ルビオ上院議員がメディアから …

nougyouyushutu
日本の農作物輸出が過去最大。だが全体から見れば輸出はごくわずかという現実

 日本の農作物の輸出が徐々に増加している。農林水産省の調査によると、2013年に …