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キプロスの金融危機があぶりだす、欧州の裏資金ルートの実態

 

 キプロスが、ユーロ圏からの金融支援と引き換えに、銀行の大口預金をカットするなどの強硬策の実施に踏み切ったことで、欧州各地に思わぬ余波が及んでいる。また資金洗浄ルートとしてのキプロスの実像も浮かび上がってきている。

 キプロスでは、預金流出を防ぐため3月27日に包括的な金融規制を発表した。同国の銀行は金融支援の実施を受けて28日に営業を再開するが、取り付け騒ぎなどの混乱を回避するため、預金の引き出しを厳しく制限する。
 現金については上限を1日当たり300ユーロとし、国外送金も原則禁止とする。また出国者についても1000ユーロ以上の現金の持ち出しが制限され、小切手も現金化できないという。

 この影響を大きく受けているのが、スペインのリゾート地、コスタブランカだ。コスタブランカには、ロシアや東欧の富裕層が多くの不動産を保有していることで有名な場所。

 一帯にはロシア人が所有する住宅だけでなく、ロシア正教会の教会まで建っており、地域の不動産業者の多くはロシア人がいないと生計が成り立たないとまで言われている。
 だがキプロスからの送金が、その内容の如何に関わらず制限されてしまったため、不動産の決裁ができないという事態が生じている。東欧やロシアの顧客のほとんどがキプロスの銀行を経由して決済を行っているからである。

 また欧州各地でも、ロシア企業との決裁に支障が出るケースが続出しているという。不透明ではない取引であっても、ロシア企業の多くが海外決済用にキプロスの銀行口座を利用しており、これらが軒並み決済不能となっているのだ。

 ただ、ロシアや東欧からの資金は出所不明なものが多いのも事実で、銀行の機能停止によってその実態が表面化している。ロシアからの資金は脱税した資金が多く、東欧からの資金は非合法な犯罪で得たものが多いという。
 また東欧の犯罪者集団が欧州に出稼ぎにきているケースも多いと思われ、そういった資金もキプロスに集まっている可能性がある。

 リーマンショック以前、スペインの不動産価格はバブル的な水準まで高騰していた。ロシアや東欧で作られた資金が、キプロスを経由してスペインなど南欧に流れ込み、資産バブルの一部を形成していた。キプロスの金融危機からは、そんな欧州のウラ資金の流れを垣間見ることができる。

 - 政治, 経済

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