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子宮頸がんワクチンが定期接種の対象に。一部から懸念の声が上がる理由とは?

 

 子宮頸(けい)がんなど3ワクチンを定期接種の対象とする予防接種法改正案が3月29日、参院本会議で可決成立した。

 子宮頸がんワクチンの定期接種化については、一部から懸念の声が上がっている。理由のひとつは副作用である。
 一部ではあるが、ワクチン接種後に重い歩行困難になったケースや全身に痛みが広がるなどのケースが報告されている。
 また子宮頸がんの原因となるウイルスのすべてにワクチンが対処できるわけではないことから、費用対効果が十分ではないとの意見もある。

  一方、子宮頸がんは性感染症であり、ワクチンで予防することができる数少ないガンであるのも事実。一定の予防効果があるものは定期接種の対象にする意味があるとの考えにも一理はある。

 子宮頸がんのワクチンに限らず、予防接種には一定の割合で副作用が発生する。ワクチンの利用者は副作用のリスクと罹患する確率を総合的に検討し、最終的には本人の自由意思で決定するのが本来の姿である。

 今回のワクチン定期接種化について懸念の声が多く上がっているのは、副作用があるからという理由だけではなさそうだ。副作用や費用対効果に疑問の声があるにも関わらず、法制化の手続きが非常に拙速というところに最大の原因があると思われる。
 子宮頸がんの患者数は年間約8000人、死亡者数は約2500人とかなり少ない。副作用のリスクを考えると、一定割合の人が摂取を望まないであろうことは容易に想像できる。副作用が本当にどの程度重篤なのか、もう少し時間をかけて検討し、情報を開示していけば、より多くの人を納得させることができたはずである。

 今回の子宮頸がんワクチンの導入は、実は永田町の世界でもちょっとした話題になっていた。ワクチンの製造メーカーである海外の製薬会社が、専門家を雇って米国型の本格的なロビー活動を行った珍しいケースといわれているからである。法制化のスピードが速いのは、このような事情があるとのうがった見方も一部には存在している。

 日本ではロビー活動にネガティブなイメージがあるが、活動自体は悪いことではない。それぞれの立場の人が、それぞれに自説を主張すればよいだけだ。
 ただし、立法化の過程でどのような議論がなされたのか、透明性を確保することだけは絶対に守られなければならない。最終的に判断するのは国民なのである。

 - 政治, 社会

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