ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

丸源ビルのオーナーが検察を徹底批判。死んだら全財産を国に寄贈の考えは変わったか?

 

 銀座などの歓楽街で「丸源ビル」を展開する不動産グループの経営者で、脱税容疑で逮捕・起訴された川本源司郎被告が3月28日保釈された。都内で報道陣の取材に応じた川本被告は、「脱税する必要などまったくない」として潔白を訴えた。今後は裁判で徹底的に争うという。

 川本被告は約28億8400万円の所得を隠し、約8億6200万円を脱税したとして東京地検特捜部に逮捕された。所有するビルに入店するクラブやスナックなどから得ていた賃料を除外するなどして売上を小さく見せていた疑いがあるという。
 だが川本被告は、ビルの売却損などの評価をめぐって見解に相違があるとしており、裁判で争う構えを見せている。また検察の取り調べは結論ありきの強引なものであるとして、取り調べを担当した検事の名前を具体的に挙げ、検察を強く批判した。
 すでにヤメ検(検察官を辞職して弁護士になっている人のことを指す。検察の手の内を知っているので、重宝される)の弁護士を雇っており、準備を進めているという。

 もっとも川本被告は、81歳になった現在でも独身を貫き、ビルから札束をバラ巻いたり、豪邸に低所得者をタダで住まわせたりするなど、一風変わった人物として知られている。今回の検察批判も川本氏一流のパフォーマンスとの見方もある。

 あくまで脱税をしていないというのは、川本被告の主張であり、真偽の程は現段階では不明だ。だが税務調査の過程では、税務当局側における当初の目論見と、実際の調査結果が異なり、引っ込みがつかなくなって強引に修正申告を迫るというケースも少ないない。また会計原則をめぐって会社側と税務当局側で見解が分かれることはザラにある。

 具体的にどの部分で見解の相違が生じているのかは、裁判を通じて明らかになってくるだろうが、川本被告のように裁判で徹底的に争いうという姿勢の人がいることは悪いことではない。恣意的な解釈が起こりやすい税務調査の世界において、裁判という公開の場で双方が主張を展開することは、フェアな徴税を促す効果があるといえるだろう。
 現在消費税の増税が目前に迫っているが、消費税の増税だけでは財政が好転しないことは火を見るより明らか。今後は相続税などの資産課税が強化される可能性が極めて高い。課税強化は、川本氏のような富豪でなくても、身近な問題になりつつある(本誌記事「確定申告の時期を迎え申告漏れのニュースが増加。今後の本丸は庶民の相続税」参照)。

 川本被告は常々「自分が死んだら丸源ビルは終わり。相続させるつもりはないので、物件はすべて国に提供する」と公言していた。だが今回の逮捕、起訴によってその考えは変わったかもしれない。もし国が裁判で負けるようなことになってしまえば、結果的に莫大な金額の国庫収入を失うことになる。

 - 政治, 経済

  関連記事

verizon
早まった?それとも大チャンス?ベライゾンのM&Aでソフトバンクに再び世界が注目

 米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズによる超大型買収が実現したことで、ソ …

pccw
外国人投資家による都心の不動産取得が相次ぐ。本当に需要はあるのか?

 東京の不動産市場が活況を呈している。円安によって外国人投資家による買いが増加し …

todai
茂木健一郎氏のツイッター発言で偏差値論争が再燃。日本人が偏差値大好きな理由とは?

 脳科学者の茂木健一郎氏がツイッター上で、学力偏差値とそれを公表している大学受験 …

kaikotokku
解雇特区は雇用政策というよりも、ベンチャーや外資の優遇策である

 安倍政権は成長戦略の目玉の一つである解雇特区の導入に向けて本格的な検討を開始し …

pachinko
生活保護受給者のパチンコを制限する小野市の条例から見えてくるもの

 生活保護を受ける人たちがパチンコやギャンブルに浪費しているのを見つけた市民に通 …

abekeitaiminaosi
首相が突然、携帯電話料金の見直しに言及。賃上げ要請と同じ結果に終わる?

 安倍首相の携帯電話料金の見直し発言が波紋を広げている。日本の携帯電話会社は3社 …

apuruwochi
4~6月期決算が絶好調なのに、アップルの株価が大幅下落となった理由

 米アップルは2015年7月21日、2015年4~6月期の決算を発表した。売上高 …

imfsdr
IMFが人民元のSDR採用を正式決定。猶予期間の設定で人民元改革を要請

 IMF(国際通貨基金)は2015年11月30日、特別引き出し件(SDR)に中国 …

kuroda
日銀黒田総裁のホンネはどこに?市場にくすぶるインフレ許容論者説

 日銀は5月22日の金融政策決定会合で、景気判断を上方修正するとともに、前回決定 …

okada01
岡田副総理が事実上領土問題の存在を肯定。中国側はこれを着地点とみなしている

 「尖閣は領土問題ではないが議論があることは事実」との岡田克也副総理の発言が中国 …