ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

日銀が追加緩和を決定。だが米欧のブッ飛び金融政策にはまったく追いつけず

 

 日銀は9月19日の金融政策決定会合で、資産買い入れ基金の規模を10兆円増額し、総額80兆円とする追加緩和策を全員一致で決定した。今回の金融政策決定会合では緩和を見送るとの見方もあったことから、市場ではある程度ポジティブに評価されている。

 だが、米欧の金融政策のスタンスがここ1ヶ月の間に、コペ転(コペルニクス的転回、180度変わってしまうこと)していることを考えると、日本と米欧の距離はむしろ遠ざかったというのが現実だ。

 9月6日、欧州中央銀行(ECB)はスペインなどの国債を無制限に購入する方針を決定した。ECBのドラギ総裁は「ユーロを防衛するため、あらゆる措置を取る」と強調している。
 続いて13日、米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和第3弾(QE3)の導入を決定した。国債ではなく、住宅ローン担保証券」(MBS)を購入し、月400億ドルで期限や総枠は決めないという。バーナンキ 議長は「雇用情勢が著しく改善するまで(量的緩和を)続ける」と表明している。

 ECBとFRBの決定は、これまでの金融政策を180度ひっくり返すほどのインパクトがある。

 欧州は危機対策として「無制限」に国債を購入する。さらにFRBにいたっては、雇用という中央銀行とはまったく関係のない領域にまで踏み込み、失業率が改善するまで、「無限」に住宅ローン債権を買い支えるというものである。

 当然、この先にはインフレが待ち受けている。両中央銀行は、インフレを起こしてでも、金融危機の回避と経済成長を実現すると、事実上の表明を行ったことになる。

 今回の日銀の対応は、今までの枠組みであれば、比較的迅速なものと評価されたかもしれない。だが日銀がやっと迅速に行動した時には、相手はとっくに次のフェーズに入ってしまっていたという状況だ。結果として日銀と米欧中央銀行との距離はかえって広がってしまっている。

 日銀の政策は国債の購入を10兆円追加するというもの。おそらくこのままでは、財政赤字を間接的に日銀が引き受け、日本の財政収支が悪化するだけの結果に終わるだろう(日銀によるマネタイゼーション)。

 一方で、今回の米欧の決定により、マーケットが大きく動く可能性が出てきた。ドル円相場の歴史的な転換点を迎える可能性も出てきている。日本市場が世界から完全に取り残される日も近い。

 - 経済

  関連記事

jinminginkou
中国が年内に金利完全自由化を実施。グローバル市場との一体化が進む

 中国人民銀行の周小川総裁は2015年3月12日、年内に預金金利の上限規制を撤廃 …

trumpusa
トランプ政権の経済閣僚が固まる。かつての対日貿易交渉がそのまま中国版にシフト?

 トランプ次期政権の経済チームの顔ぶれがほぼ固まった。対中強硬派の人物が多く、中 …

tosho05
株価の刻み幅を10銭単位に引き下げ。これってどういう意味があるの?

 日本取引所グループが、株価の刻み幅を現在の10分の1に縮小する方向で検討を始め …

kourioote
2月決算の小売大手決算。個人消費に多少の明るい兆しが見える

 2月決算の小売大手各社の決算がほぼ出揃った。小売各社の決算動向は、個別企業の業 …

asohadaijin201406
麻生大臣による「守銭奴」発言。表現は下品だが、本質を突いている

 麻生財務大臣は2015年1月5日、日本企業が内部留保を蓄積していることについて …

kakugi02
緊急経済対策が正式に閣議決定。内容は経済産業省の意向を強烈に反映している

 政府は11日午前の閣議において緊急経済対策を正式決定した。地方自治体や民間企業 …

ichimanen
来年度の国債の発行総額は180兆円を突破。国債管理政策は正念場へ

 財務省は2013年12月24日、2014年度の国債発行計画を発表した。国債発行 …

usakoyoutoukei201503
米雇用統計は市場予想の半分。株価のトレンドが変わる可能性も

 米労働省が2015年4月3日に発表した3月の雇用統計は、市場予想を大幅に下回り …

seichousenryaku201406
新成長戦略の骨子が明らかに。従来とはうって変わって構造改革的な要素が前面に

 政府の産業競争力会議は2014年6月10日、今月下旬に閣議決定が予定されている …

suntorypuremoru
サントリーが新浪氏のトップ就任に合わせて組織改編。とうとうビール部門が独り立ち

 サントリーホールディングスは2014年9月25日、ビール事業の分離などを柱とす …