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シェールガス会社の破綻でバブル終了。だが本当のインパクトはこれからだ!

 

 米国でシェールガスなどを生産するGMXリソーシズは4月1日、米連邦破産法11条(日本の民事再生に相当)を申請した。シェールガスの生産量が急増し、価格が低迷し経営に行き詰った。

 シェールガスは岩盤層に含まれる天然ガスのこと。従来は採掘コストが高く採算が合わないといわれていたが、新しい技術の開発が相次ぎ低コストでの採掘が可能となった。
 このため米国ではここ数年、シェールガスの開発が一気に進み、シェールガス関連の企業は一種のバブル的な状況になっていた。

 だが新しい油田の開発が相次ぎ、生産量が増大したことで価格が急落、シェールガスへの依存度が高い会社は経営難に直面するようになってきた。今後同社と同じように、経営に行き詰るガス開発会社が出てくる可能性は高い。

 市場では同社の破たんによって、シェールガス・バブルが破たんしたと見る向きも多い。だが産業全体として見た場合には、状況はまったく逆である。
 確かに新しい油田の開発が過剰に進み価格が下落したことで、シェールガス関連の会社は今後大きな利益を上げることが難しくなった。
 だがこのことは、米国のエネルギーコストが劇的に下がったことを意味している。安価になったシェールガスの価格は日本が使っている石油や天然ガスの半額以下である。米国は安価なエネルギー源を好きなだけ使える環境になりつつあるのだ(本誌記事「日本メーカーが相次いで米国に製造拠点を設置。米国はものづくり大国として復活か?」参照)。

 すでに米国ではこの状況を見据えており、天然ガスなどを世界に向けて輸出していく方針を明らかにしている。国際エネルギー機関 (IEA)の調査によれば、シェールガスの開発によって米国は近い将来、世界最大のエネルギー産出国になるとともに、すべてのエネルギーを自給自足できることに なる見通しだという。

 米国が中東からの石油輸入に依存しなくなるインパクトは大きい。シェールガス開発会社の破たんは、石油をめぐる国際的な秩序が根本的に変わりつつあることの象徴なのである。

 - 経済

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