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反日デモはまるで「文化大革命」や「義和団の乱」。当局は反政府運動への転換を危惧

 

 中国の公安当局が事態の沈静化を図るため、反日デモを押さえ込む方針に転換し始めている。

 すでに報道されている通り、反日デモは必ずしも愛国・反日で統一されたものではない。既得権益層に対する貧困層の不満がその根底にあり、一歩間違うと反政府運動になりかねない危うさを兼ね備えている。中国には、歴史的に愛国運動がそのまま反政府運動に転換しやすいという土壌がある。中国当局は、この点をもっとも危惧しているといわれる。

 まず多くのデモで目に付くのが毛沢東の肖像画である。これを見ると文化大革命を彷彿とさせる。
 文化大革命とは1970年前後に起こった資本主義的風潮を攻撃する民衆運動である。実際には革命路線に忠実な毛沢東と、今で言う改革開放路線を目指した劉少奇の権力闘争であった。毛沢東が民衆をウラで操り、劉少奇が民衆(紅衛兵)に襲撃され拷問の末に死亡している。

 街では、既得権益層とみなされた人が次々につるし上げとなり、推定で数百万人が虐殺されたといわれる。中国の次期最高指導者の習近平氏は父親が党幹部という親の七光りボンボンである。当然、民衆の攻撃対象となり、命は奪われなかったものの、長期間地方に追いやられていた(下放)。

 文化大革命は、その後、毛沢東もコントロールできないほどに過激化し、反政府運動にもなりかねない状況となったため、今度は逆に当局が徹底的に弾圧して収束させた。

 もうひとつ、現在のデモを彷彿とさせる事件が清朝末期に起こっている。それは「義和団の乱」である。
 義和団の乱は1900年頃に起こった愛国運動である。「扶清滅洋(清を助けて、外国を排斥せよ)」を旗印に、外国人やキリスト教徒など次々に襲った。当初清朝はこれを利用しようと、その運動を黙認していたが、欧米列強の介入を招き、急遽、義和団を弾圧することになる。
 義和団は今度は「掃清滅洋」(清を滅ぼして、外国も滅ぼせ)を掲げる反政府運動に変わり、最終的に諸外国の軍隊によって鎮圧された。
 義和団の乱は、結局のところ、日本を含む列強国の中国介入を招いてしまった。

 中国の指導者層の頭の中には、この二つの事件は明確に意識されており、いわば中国のアキレス腱ともいえる。日本人もこれらの民衆運動について知っておいて損はない。

 - 政治

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