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ソロス氏が日銀の緩和策について、円崩壊につながると警告。我々はどう捉えるべきか?

 

 日銀による異次元の量的緩和の拡大は、円相場崩落と日本からの資本逃避の引き金になるとのジョージ・ソロス氏の発言が話題となっている。

 米国の著名投資家であるジョージ・ソロス氏は4月5日、CNBCにおけるインタビューで、日銀の政策は危険であり、「円安と資本逃避に歯止めがかけられなく可能性がある」との見解を示した。
 ソロス氏は世界トップクラスの投資家として知られた人物。1992年の英ポンド売りの投資で巨額の利益を確保し、「イングランド銀行を負かした男」として一躍有名になった。最近では、リーマンショック直後の米国株投資、金や銀などの商品投資などでも大成功している。

 浮き沈みの激しいこの世界で、「勝ち」を続けている稀有な投資家であることから、その発言には世界中の金融関係者が注目している。ソロス氏の今回の発言は、異次元の量的緩和策が持つ潜在的リスクをあたらめて確認したものといえるだろう。

 ただ、注意しなければならないのはソロス氏はあくまでも投資家であるという点だ。金融業界ではポジション・トークと呼んでいるが、投資家の発言のウラには、自分が行っている投資を有利に運ぼうという意図が隠されている。彼らの発言を聞く時には、それを十分に理解しておく必要がある。

 ソロス氏は昨年後半から、円を売り、ドルを買うポジションを組んでいたことで知られている。安倍政権登場前に現在の円安を予想していたあたりはさすがだが、ともかくアベノミクスの円安で10億ドルを超える利益を得ているといわれる(本誌記事「ソロス氏がまたまた大儲け。ウォール街の鬼門といわれた円安で大勝利」参照)。
 もしソロス氏がまだそのポジションを保有し続けている場合、さらに円安が進めば利益はもっと大きなものになる。

 投資家は、アナリストや評論家、学者らとは異なり、自らのリスクで巨額のお金を賭けている。このため、その発言には重みがあり、相場の世界では非常に重要視されている。だが一方で、発言には多くの意図が隠されており混乱の原因にもなる。
 著名投資家の発言を聞く場合には、ウラの意図を推測し、それを楽しむ「余裕」が必要なようだ。

 - 経済

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