ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米国で緊急避妊薬が17歳以下でも自由に購入可能に。日本では処方箋が必要だが・・・・

 

 米国のニューヨーク連邦裁判所は4月5日、性行為の後でも効果のある緊急避妊薬の店頭販売を17歳以下の女性にも適用するよう命じた。

 緊急避妊薬は「モーニング・アフター・ピル」とも呼ばれているもので、性行為の72時間以内に処方すれば妊娠を防ぐことができる薬のこと。
 従来は17歳以下の場合には医師の処方箋が必要であったが、今回の命令によって、17歳以下の少女でも自由に薬を入手することができるようになる。

 モーニング・アフター・ピルをめぐっては、全米で様々な議論が沸き起こっている。リベラル色の強いニューヨーク市などではすでに生徒に対して避妊薬を配布する制度を導入しており、利用実績も積み上がっている。

 賛成派の人は、17歳以下の妊娠のうち9割以上が予定外妊娠である実態を考えると、緊急避妊薬を普及させることには合理性があるとしている。
 一方、カトリック教徒やプロテスタント保守派など中心に、こうした医薬品の普及は、性行為を助長するものとして激しく反対している。

 ちなみに欧州各国ではカトリックの影響が強いポーランドなどを除けば、緊急避妊薬は比較的ポピュラーな存在となっている。アジアでも同様だ。日本では2011年に承認されているが、服用するには医師の処方箋が必要で、保険も適用されない。

 緊急避妊薬が今後、日本でどのような扱いになっていくのか、現段階ではわからない。だが子宮頸がんワクチンが定期接種の対象となったように、倫理面で議論の対象となる医薬品についても、今後、適用範囲を拡大する動きが広がってくる可能性は高い。

 子宮頸がんワクチンは現在副作用の問題が主に議論されているが、子宮頸がんは性感染症であることから、セックスの低年齢化を促進するという倫理面での問題を指摘する声もある(本誌記事「子宮頸がんワクチンが定期接種の対象に。一部から懸念の声が上がる理由とは?」参照)。緊急避妊薬についても同様だ。

 日本では欧米のような宗教的価値観にもとづく激論はないが、その分、倫理的な軸足をどこに置くのかがはっきりしない面もある。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)では医薬品の自由化もテーマになっていることを考えると、こういった倫理面での論点をどうするのか、今後、議論を深めていく必要がありそうだ。

 - 政治, 社会

  関連記事

kyositu01
体罰問題の背景には、過保護に育てられケンカをしたことがない教師の存在がある?

 全国の学校で体罰の実態が次々と明るみ出ているが、驚くべきことに、生徒がかなりの …

ieren
バーナンキFRB議長の後任はイエレン副総裁が有力。市場関係者も歓迎か?

 2期目を迎えるオバマ政権の主要閣僚がほぼ出揃ってきたことで、来年1月に任期を迎 …

tennouheika02
天皇陛下が生前退位のご意向。皇室典範に関する速やかな議論が必要

 天皇陛下が「生前退位」の意向を示されていることが明らかとなった。現行の皇室典範 …

monka
発達障害に関する文部科学省の調査。なぜか被災地域は調査対象から除外

 文部科学省は5日、全国の小中学校に通う児童生徒のうち、人とコミュニケーションが …

kougousama
民主主義の大切さを訴えた皇后陛下による異例の発言をどう解釈すべきか?

 このところ、皇室と民主政治をめぐって、これまでにはなかったような出来事が相次い …

tanigaki
自民党政権で初の死刑執行。だがなぜこの3人なのか?基準はまったく不明

 法務省は21日、死刑囚3人の死刑を執行したと発表した。政権交代で自民党の谷垣法 …

koyokeiyaku
現実味を帯びる同一労働、同一賃金。結局は若年層正社員の賃下げに?

 これまで導入が極めて難しいといわれてきた、同一労働、同一賃金が現実味を帯びてき …

kokkaigijido02
選挙権の年齢が18歳以上に引き下げ。しかし成人年齢は20歳のまま

 選挙権の年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる公職選挙法の改正案が2015 …

kennedy02
ケネディ駐日大使の資産は273億円との報道。資産の中身を詳細に検証してみると・・・

 米CNNは8月19日、次期駐日大使のキャロライン・ケネディ氏が保有する資産は約 …

skytree00
現代版バベルの塔「スカイツリー」で電波障害が多発。東京はもはやソドムと化した?

 東京スカイツリーで大量の電波障害が発生している。毎日新聞が報じたところによると …