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ジャーナリスト連合による衝撃の世界脱税者リスト。最終的な爆心地はEUの盟主ドイツ?

 

 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は4月3日、世界中のタックスヘイブン(租税回避地)における、大物政治家や富豪などの資産隠しの実態を公表した(写真はICIJのWebサイト)。

 ICIJでは各国の報道機関と協力し、46カ国、86人のジャーナリストを動員して、過去30年にわたる取引の調査を行った。

 調査の対象となったのは英領ヴァージン諸島など著名な租税回避地への資産隠匿で、170カ国、13万人分の情報があるという。
 また、資産隠匿に関与した12万社以上のオフショア企業や信託機関もリストに上がっている。ICIJが保有するファイルには250万 以上のレポートが存在しており、ウィキリークスによる米国国務省の暴露ファイルをはるかに上回る。

 資産の隠匿者として具体的に名前が上がっているのは、フィリピンのマルコス大統領の長女、ロシア国営企業ガスプロムの幹部、カナダの著名弁護士、インドネシアの富豪など様々。また脱税に関与した金融機関としては、UBS、ドイツ銀行などの名前があるという。

 折しもキプロスの金融危機によって、ロシアや英国からの脱税資金がキプロスに集まっている実態が明らかなったばかり。またフランスではカユザック予算相がスイスやシンガポールに隠し口座を持ち、脱税を行ってきた疑惑が浮上して大臣を辞任した(本誌記事「欧州で権力者の「お金」に関する不正が次々と発覚」参照)。ICIJが保有する全リストはまだ公開されておらず、各国の関係者は戦々恐々の状態になっているという。

 今回のICIJによる調査報道は、各国の政治に大きな影響を与える可能性が極めて大きいが、さらに大きなインパクトを指摘する声も聞こえてくる。それはEUの覇者として君臨しているドイツの国際的地位に関するものである。

 ドイツはキプロス支援にも見られるように、経済大国としてEU各国に対し強硬な姿勢を貫いている。だが一方でドイツの金融機関は欧州各国でこうした脱税行為に積極的に手を貸しているともいわれる。ドイツは欧州最大の工業国であるとともに、最大の金融立国でもあるのだ(本誌記事「ドイツはマネロン大国?質実剛健なイメージが崩れ、欧州でも発言力低下か?」参照)。
 ドイツ要人の脱税行為や、ドイツ銀行をはじめとするドイツ金融機関の脱税幇助の実態が暴露されることになると、EUにおけるドイツの信用は一気に崩壊する。場合によってはEUの枠組みそのものが崩れてしまう可能性すらある。

 ちなみにICIJのリストに日本人が含まれているのかは、現時点では不明である。

 - 政治, 経済

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