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シャープとインテルが提携という報道をめぐって、海外メディアとのレベルの差が露呈

 

 シャープがインテルと資本提携を模索しているとの報道をめぐり、日本のマスコミのダメっぷりが露呈している。

 インテルとの資本提携に関する報道を行ったのは毎日新聞。だが記事をよく読むと「シャープが、米インテルと資本提携に向けて交渉を進めていることが分かった」としか書いておらず、ニュースソースが明らかになっていない。毎日は一応シャープ広報室にも取材を入れており、シャープ広報室は「知らない」と答えたと掲載している。

 察するに、シャープ社員の誰かが匿名でインテルとの交渉について毎日に漏らし、毎日がそれをそのまま書いた、といったところだろう。
 情報源を秘匿し、情報提供者を守るのはマスコミの使命だ。だがどのようなルートからの情報であるのかすら開示しないのでは、それはニュースとはいえない。この記事はそれについてまったく触れていないので、本来は記事になるようなシロモノではない(たとえそれが事実であっても)。

 これに対してロイターの記事は秀逸だ。毎日がニュースソースを特定せずに記事を掲載している旨に言及し、シャープの広報担当者とインテルの広報担当者に取材を入れ、両社の広報担当者のコメントを実名入りで掲載している。地味な記事だが、現状で分かる範囲の事実関係をきちっと押さえている。

 そもそも企業の広報担当者として「知らない」というコメントはあり得ない。「社」として知らないのか「個人的に知らない」のか? 社として知らないというなら、それは交渉をしていないということと同じであり、もしそうであれば「交渉したという事実はない」とコメントすべきである。
 もしそのようなふざけたコメントを出されたら、「ふざけたコメントが出された」とメディアは書くべきだ。
 ロイターの記事には、「インテルとの提携を進めているという報道について、広報担当者は否定した」と書かれている。外国のメディアには「知らない」とは答えていないようだ。

 日本のマスコミはツメが甘い。ツメが甘いから企業の広報にナメられる。だが、企業の広報担当者も、日本のメディアには居丈高に振る舞うが、外国メディアにはめっぽう弱く、いつもヘコヘコしている。日本のマスコミの企業や役所との関係は、卑屈な日本社会の縮図そのものなのだ。

 日本のマスコミは、いつまで企業の広報や役人にブラ下がって、情報のおこぼれをもらうような乞食取材を続ける気なのだろうか?

 - マスコミ, 経済

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