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3月の景気ウォッチャー調査は5カ月連続で上昇。中小企業はまだそれを実感できない?

 

 内閣府は4月8日、3月の景気ウォッチャー調査(街角景気)の結果を発表した。景気の現状を示す「現状判断DI」は、前月比4.1ポイント上昇の57.3となり5か月連続で上昇した。わずか数カ月前には、40を切っていた数値が60に近づこうとしており、景気回復の実感が急拡大していることを伺わせる。

 景気ウォッチャー調査は、俗に街角景気といわれているもので、タクシー運転手、娯楽施設の従業員、派遣社員など、景気動向を肌で感じる職業の人に景況感をヒアリングして指数化したもの。マクロ経済の世界では景気の先行指標といわれており、今後の景気動向を予測する上では非常に重要視されている。

 内訳を見ると、小売、飲食、サービス、住宅の各項目で数値が上昇しており、景況感の回復はあらゆる業態に及んでいることが分かる。また企業動向の項目についても、製造業、非製造業ともにプラスとなった。

 年明け以降、百貨店などでは高級品を中心に売り上げが増大しており、株高を背景にした富裕層の消費が伸びていることはよく知られていた。だが景気ウォッチャー調査の結果が3月も好調であることを考えると、アベノミクスの効果は中間層にも及び始めたと見てよいだろう。

 ただしこれはあくまでも街角景気の調査結果であり、景気の一つの側面を表わしているに過ぎない。4月1日に日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査(いわゆる短観)では、大企業は製造業、非製造業とも景況感が改善したが、中小企業(製造業)は逆に悪化していることが明らかとなっている(本誌記事「日銀が3月の短観を発表。アベノミクスも結局は米国頼み」参照)。
 製造業の分野は、自動車産業以外では、設備投資に対する意欲がまったく伸びておらず、頼みの綱であった中国からの受注も減少の一途を辿っている。

 日本は産業構造の転換が進み始めているとはいえ、基本的には製造業中心の社会である。中小の製造業における景況感が回復しないと、国民全体として景気回復を実感できるようにはならないだろう。
 アベノミクスによって、株高と円安はとりあえず実現することができた。今後はこの動きをいかにして製造業の業績改善につなげられるかがカギとなってくる。

 - 経済

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